「年金問題」取材後記〜表面だけを掬ってバチャバチャやるだけの報道 

年金問題」について3人目の駒村さんの原稿が、「日経BP-net」にアップされた。今回は取材の度に新たな発見があり、年金問題はとても迷宮めいていた。が、取材してみて、新聞やテレビ報道ではまるで知らなかったことが次々と出てきた。個人的には面白かったが、その分、マスコミの年金報道への違和感が募った。同時に、インタヴュー記事ではあったが、ネットコンテンツの存在意義めいたものを感じることもできた。
 一連の報道の中で、2004年の年金改革に言及したところは、いったいどれだけあったのだろう?日本だけでなく、諸外国もベビーブーマー世代の定年を控えて、年金財政が圧迫され、保険料の引き上げと年金給付率の抑制に動いていることを、どれだけ伝えたのだろう?
 社保庁批判と責任者探し、自分の年金記録の有無も、もちろん大切だ。しかし、それだけか?諸外国と日本の年金制度の比較、あるいは年金制度の課題といった全体像まで、その射程が伸びないのだろう。もしかしたら、情報の受け手側はそんなもんには興味がないということか?