もはや大手都銀は時代錯誤の斜陽産業

サラ金並みのエグイ商売ですねぇ」
 人目もかまわず、思わずそう声をあげてしまった。近所の大手都銀2階のカウンタ―でだ。そう、わたしは相変わらず大人気ないヤツである。
 ある雑誌で書いた記事(英文翻訳後に掲載されたもの)が、アメリカの関連雑誌で転載された。先日、その転載料が小切手で送られてきた。
 それを換金しに銀行に出かけたら、換金には1ヶ月近くかかること、さらに換金金額にかかわらず、手数料が申し込み時に5000円もかかること。さらに小切手換金時の為替手数料が発生する場合、口座への振込み金額から差し引かせてもらうだって。たかが額面300ドルの小切手で5000円もとられたら、手数料は総額の6分の1じゃん!冒頭の「サラ金並み」発言はそこからきている。
「とんでもないです」
 その毎回謝り慣れていそうな、女性はペコペコと頭を下げる。もちろん、彼女が手数料を決めているわけではない。だが、待っている人に団扇を配るサ―ビスする暇があるなら、もっと他にやるべきことがあるだろう。海外送金の場合も、一律9000円近くの手数料がかかるらしい。
 金融ビッグバンって国際競争力を高めるためのものじゃなかったの?だいたい、一ヵ月もあれば、船便だっていまどき相手の国についちゃうよ。もしかして、小切手を船便でもう一度、アメリカに送り返すつもりかしらん。
 いたずらに合併だけを繰り返して、図体ばかりデカクなるだけ。運用ノウハウもなく、まともな金利も払わず、法人税も免除された上に、江戸時代以来の融資と、手数料収入でシコシコ稼いでる惨状とはいえ、ひどすぎる。だいたい、ビジネスの体裁を為していない。
 無茶な貸付で不良債権を積み上げて、税金で救われた時点で大手都銀は終わってたな。だから合併して資金量増やして、後は手数料収入で人件費をまかなうしかない。昔の繊維や石炭に続き、いまや立派な斜陽産業である。郵貯が民営化した今、今度は大手都銀連合で国営化してみたらどうよ?