『日経ビジネス』の表紙を、安倍首相と元ニ―トが飾る時代 

rosa412007-08-06

 定期購読している雑誌に、自分の知り合いが載っているというのも奇妙なもんだ。一瞬、絶句しちゃったよ。しかも安倍首相との”変則”2ショット。今週号「日経ビジネス」の特集タイトルは「王子とニ―ト 若者を浪費する日本社会」。しかも合併号の特集だ。表紙の彼は、ぼくが取材していた、ニ―ト・ひきこもり支援のNPO団体の代表代行の一人。
 最近のグッドウィルフルキャストといった人材派遣会社の違法行為が相次いで暴かれ、その対象として非正規社員としてしか働けない元ニ―トや若者たちの存在に、ようやく社会の眼差しが注がれつつあるということ。
 また、昨年出版した拙著『レンタルお姉さん』のような、引きこもりを訪問するNPO活動に、国から助成金が支出されるという。昨年来、政府が行っている若者の自立支援施策があんまりうまく行っていないせいらしい。訪問すれば誰でも引き出せる仕事とは思えないが、その仕事の必要性が社会に認められるのはいいことだ。
 しかも先のNPO団体で、ある映画のロケハンがすでに始まっている。フランスと韓国人監督3人によるオムニバス映画「TOKYO」。三篇のひとつを担当する韓国人監督ボン・ジュノ氏は、ぼくが取材協力した『希望のニ―ト』の韓国語版を読まれて、同NPOに取材協力を依頼してきたとか。
希望のニート 現場からのメッセージ
 彼が担当する話の主演は、なんとあの香川照之蒼井優。香川さんが40代の引きこもりを演じるらしい。ロケハンを兼ねて香川さんがNPOに泊り込む予定とか。同映画は来年5月のカンヌ国際映画祭への参加を狙って製作されるという。さ、さらにね、同映画のフランス人監督の一人は、ぼくの大好きな『汚れた血』や『ボンヌフの恋人』で知られるレオス・カラックスだぞ。
「なんで、ニ―トとか引きこもりなんて地味なの取材してんの?」
 昔、いろんな人からそう訊かれていたことを懐かしく思い出すよ。