宮成なみ著『奇跡のごはん』(東洋経済新報社)〜日々食べているものが、自分のいのちをどう支えてくれているのか、知っていますか? 

rosa412007-08-24

 昨年来、取り組んでいた1冊が今週末、全国発売になりました。奇跡のごはんです。著者である宮成なみさんと一緒に笑い、食べ、泣いたりと、多くの時間を共有しながら生まれました。
 自分が食べているものが、どのように自分の「いのち」を支えてくれているのか。普通に暮らしていると、それを実感する機会はそうありません。宮成さんはそれを身をもって理解している一人です。 
 彼女が16歳で告げられた病名は「結節性動脈周囲炎」。動脈の周囲が炎症をおこすとともに、その毛細血管の末端がつぶれていく難病です。医師からは、「社会で働くことも、結婚も諦めてください」と宣告されました。食事制限のある約3ヶ月間の入院生活で、体重が約20キロも減り、全身の皮膚が乾き、干(ひ)からびて魚の鱗のようにひび割れ、所々に血がにじんで痛んだといいます。
 それでも彼女は、退院後も食事制限を続けながら、母親の工夫をこらした手料理を約7年半食べ続けることで、肌の色艶や、人並みの健康をとり戻していきました。難病ゆえに完治することはありませんが、医師はその回復ぶりを「奇跡だ」と言いました。
 しかし、この本はただの闘病記ではありません。健康を取り戻していく過程で、彼女が「いのち」と「ごはん」の関係を身をもって学び、料理研究家や結婚という夢をかなえていく軌跡でもあるからです。野菜嫌いな子どもをもつ若いお母さんたち、ジャンクフード好きなティーンネージャー、独身の男女、そして共働きのご夫婦・・・。この本を通して、より多くの人たちに、「ごはん」と「いのち」の関係について、改めて考えていただければ幸いです。
 福岡の地元テレビと新聞に連載をもっている宮成なみさんの公式HP「メロメロ・キッチン」、今回の本の誕生秘話をつづった彼女のブログ「Lo・veログ」の8月24日付け「奇跡のごはん」も、あわせてご覧下さい。