ボナぺティ!(1)〜よく遊び、よく学べ  

rosa412007-11-04

 終わりよければ、すべて良し。そんな言葉もあるけれど、ぼくの今回の旅は、予約したはずの復路の飛行機を目の前にしながら、乗れないという結末が待っていた。いやぁ、参った、参りました。場所は、フランスのシャルル・ドゴール空港国際線ターミナル。しかも、成田行き便の出発時間11分前だったのに・・・。
 
 フランス国内線から国際線まではかなり遠い。ただ、乗り継ぎ時間45分でネット予約をさせたのは、そもそもエア・フランスの公式サイトだ。だったらさ、「45分だと乗り継げない場合もありますよ、それでもよろしいですか?」という一文ぐらい表示しろよ。エア・フラ!「もう、搭乗は締め切りました」―エア・フランスの女性職員はまさに、にべもない表情でそう言った。さらには、「次の便は、約10時間後の午後11時25分です。ささやかですが、ビジネスランチはご用意させていただきます」とか言う。そのビジネスランチも、小ぶりなフランスパンに、トマトとキュウリとツナをはさんだサンドイッチと、350ccの飲料のみという寂しさだ。
 
 どうも、エアフラとは相性が悪い。10年前、バルセロナからの帰途、エアフラでパリに戻る際、飛行機が遅れて、乗り継ぎの成田行きに乗れず、同社のスタッフは「すみません」の一言もなく、黙ってエッフェル塔そばの、ヒルトンホテルの宿泊券を手渡しただけ。ほんまに、謝らん国民性だ。
 
 次の本の取材で、南ドイツとフランス北東部のアルザス地方をめぐってきた。ソーセージやワイン、チーズやアルザス料理のことなど、あれこれを時折挿入していきたい。でも、仕事もかなり貯まっているので、1日、2日置きの日誌になるかもしれないが、まっ、ひとつよろしく。
 
 旅を終えた今、世界はひろく、自分が知らないことがあまりにも多いと痛感している。
小さなコップの騒々しさとは距離を保ちながら、もっとアンテナを広く伸ばして、自分なりに物事を考える習慣をつけたい。かぎりある命をうまく使って、大いに遊んでやりたい。「よく遊び、よく学べ」、そんなキャッチフレーズをにぎりしめたい。時間はあるようでない。

 ちなみに右上写真は、仏アルザス地方でストラスブールから始まる「ワイン街道」の南端、ミュルーズの中心街。モノクロ写真がとても映える街だ。旅がらみの連載タイトルは、「ボナペテイ(Bon appetit)!」。フランス語で、「さあ、召し上がれ!」という意味。