自分を見る 

rosa412007-12-08

 こういう言葉に、新聞で出くわすとは思わなかった。

絶えず外からの刺激に応じるような状況じゃなく、
時には自分の内側に視線を向けられるところに
自分を置いたらいい。
自分の部屋でもいいし、静かな時間に道を歩いたっていい、
旅でもいいんですよ。
人や物との関係だけに心を向けないで、
自分を見るんだ。




東京新聞12月7日夕刊4面
詩人 加島祥造「あの人に迫る」より抜粋引用


 たとえば、胸とお腹のちょうど中間点、そこのもっと背中側の、奥にある芯の部分に突き当ってくる。あるいは、その触感が固いのか柔らかいのかさえわからず、うまく呑みこめずに当惑してしまう。ちょっと、びっくりだ。詩集『求めない』が話題の人らしい。


 深夜、彼のインタヴュー記事に出くわした。ぼくは、それから部屋中の電気を消し、外の街灯の光だけがわずかに差し込む居間で、以前、永平寺で買った座布に、あぐらをかいてすわり、腹式呼吸をしてみる。まず吐いて、吸う。しばらく繰り返すが、上体の力みがなかなか消えない。

 今度は畳の上に寝っころがる。お腹に両手を当てて、ふたたび腹式呼吸をこころみる。この姿勢だと両肩あたりの力みはすうっと消える。それでも、呼吸は時おり乱れる。うまくリラックスできないのは、普段の自分がリラックスできていないせいだ。暗闇の中でそんなことを考えていると、今度はふいに眠気がきた。まっ、とりあえずはこんなもんかと、ぼくは寝室に向かう。
 写真は、友人・藤代裕さんの「hatena-spa.com/」より