東京新聞ラブ❤〜作家・高村薫さんの指摘(17日付け夕刊・社会時評) 

 同紙の「ワーキングプア一千万人の衝撃」と題する社会時評。ここで、高村さんは年収200万円以下の労働人口一千万人について触れ、「勤労者に必要最低限の生活を保障する社会福祉の基本が、この国には欠けていることも意味している」と指摘。その上で、きわめて端的に書く。

 また、冨の再分配先は、一般に育児と教育と医療への公的支出である。国が財政赤字を理由にそれらの削減にひた走るのは、国民国家は何のためにあるのかという先進国では当たり前の基本が、この国には欠けているということでもあろう。私たちの貧困は個々の経済状況ではなく、私たち自身の政治的意思の蓄積がつくりだしたのである。

 一方、同じ17日には1発20億円のミサイル防衛システムの迎撃試験が、米国ハワイ沖で行われた。1発20億円のミサイル3発が発射されて、無事に迎撃成功。上得意客の日本は、米国に60億円をお支払いになるという。めでたしめでたし。防衛省の元トップはメディアから散々叩かれても、その当事者が推進した防衛政策という名のビジネスは、着々と進んでいる。