目力(めぢから)のオッサン〜快晴無風の皇居練習 

 我ながら、目力(めぢから)を感じた。電車の窓ガラスに映る自分の顔は、精気がみなぎっていて、とても25キロを走り終えたオッサンの顔には見えない。
 40代中盤にもなると、エネルギーは使った方が、ある種の爽快感とともに、かならず自分に戻ってくる。ある意味、質量保存の法則に似ている。もちろん、目には見えない。だが、形を変えて、目力は宿る。そういう人たちを、今まで実際にたくさん見てきた。
 
 快晴かつ無風。走るには絶好のコンディションのせいか、今日の皇居はランナーが多かった。皇居周回5周(各100m追加で、1周約5キロ)を、約2時間13分で完走。これで、なんとかフルマラソンの目途は立った。さすがに5周目の上り坂はきつかったが、フォームが固まってきて、<お尻で走る>感覚が身についてきた。
 これは、太腿の前の筋肉ではなく、後ろの筋肉を使う走り方のこと。適度に胸をはって背筋をのばし、丹田を軸に上体と骨盤を適度に前傾させるフォームが保てれば、太腿の後ろを使う走り方になる。それは同時にお尻の筋肉を使って走っている感覚が生まれてくる。
 
「1時間以上も黙々と走るなんて、何が面白いのか分からない」という人には、地道な反復練習によって、自分の身体感覚が、新たに生まれ、洗練されていくのが楽しいと伝えたい。体力が落ちるのは止められない。が、新たな身体感覚は手作りできる。