スポーツの輝き

 義足の人たちと一緒に少し走ってきた。
 しかも、ひさしぶりのタータントラックで、うつ伏せや腹ばいダッシュ、あるいは腿あげ(腿を前ではなく上にあげてぴょこぴょこ前進する)などなど。陸上部だった高校時代以来の感触が、ゆったりとよみがえる。プチ腰痛のリハビリには適度な運動だった。ぼくだけ私服だったけどね(^^;)。パラリンピックで見るようなスポーツ義足の人が多いが、足型のついた通常義足の人もいた。アスリートは数人で、同好会レベルで走るのを楽しむ人たち。
 
 小学生から50代後半まで、そんな老若男女の中に混じっていると、スポーツすることの輝きを改めて体感させられる。みんなとても気持ち良さそうに、それぞれのスピ―ドで風を切っていて、とても快活なオーラを振りまいていた。
 その巧拙とは無関係に、一生懸命何かに打ち込んでいる人がカッコイイのと同様に、スポーツする人の輝きも有無をいわせないリアリティをもつ。少し走ってみるだけで、心臓がドクドクと脈打ち、呼吸が乱れて、胸が高鳴りだす。たったそれだけで、自分の顔つきを変えられる。とてもちょっとしたことだけど、みんな、なかなか気づけない。
 
 大なり小なり、人は賢いようでいて馬鹿な生き物。一度失わないと価値がわからないものをたくさん抱えていて、往々にしてどれも放ったらかしにしている。スポーツする快感もそのひとつで、やっぱり神様から授かった贈物だな。
 ネクタイ締めて真面目そうな顔してるくせに、黒いものを白だとしらばっくれて長年恥じることのない大人たちも、少しはいい汗かいてみたらどう?