自分の声で 自分の唄を(1)〜映画『ミリキタニの猫』と友人カメラマンの縁(えにし)

 写真は軽々と国境をこえる。
 先日、東中野ポレポレ坐での土田さんのトークショーに、友人のカメラマンを誘った。去年、写真展の告知をした佐藤さんだ。再会した彼から、こんな話を聞かされた。先の写真展に、ある人がやってきた。その人は、米国9・11直後のNYで黙々と絵を描く、80歳の日系人ホームレス画家を主人公にドキュメンタリーを撮影した米国人女性監督の関係者だという。『ミリキタニの猫』(クリックすると、音声が流れますので要注意)という映画だ。昨秋公開され、今も全国各地で上映されている。都内ではアップリンクファクトリーで、日曜日公開中。


 ホームレス画家、ジミー・ミリキタニの写真を、その関係者は佐藤さんの写真展で見つけた。一方の佐藤さんは、関係者を通して90年代初頭に撮影した日系人ホームレスが、まだ生きていることを知る。そしてホームレスを訪ねて渡米。その際、NYで公開中だった映画を観た際、偶然にもその映画の女性監督とばったり会い、ミスターミリキタニとも再会を果たす。偶然に偶然が重なった。

 
 その際、佐藤さんはミリキタニの日常を撮影、ドイツ人監督は、佐藤さんの写真展をNYで開催すべく動いてくれているという。無事公開されることを祈りたい。そして米国で写真集が出版できたら最高だろう。