レンタルお姉さん事業、ついに政府が予算化! 

 
 拙著『レンタルお姉さん』で取り上げたNPO事業(ニ―トの子どもをもつ家庭を訪問、若者との交流を図り、新たな生活を始めさせるきっかけ作りを担う有給スタッフ派遣)に、ついに政府が予算をつけることになった。もちろん、政府の事業だから、名称は「レンタルお姉さん」とはならないんだけどね。


 今夜、田町「ヌースフィア」で、うち夫婦と、『レンタルお姉さん』の担当編集者・中里君、拙著原案のNHKドラマ『スロースタート』の脚本家・浅野有生子さん、それに『レンタルお姉さん』発案者で、NPOニュースタート事務局」の二神代表で会食。その席で、二神さんから聞かされた。二神さんが、政府関連の委員をいくつか兼務している影響もあるのかもしれない。


 思えば、06年の出版から、NHKで07年のドラマ化、その翌年に政府がその社会的意義を認めたことになる。5月からは扶桑社の漫画雑誌で連載も始まる。それらの事実を肴(さかな)に、みんなで今夜祝杯を重ねた。60代、40代、20代と、ばらばらな年代のコラボレーションでありながら、ひさびさに再会しても、その意気投合ぶりはぴったり。じつに心地いい宴(うたげ)になった。素直にうれしい。


 出版時には、「甘えた若者」という社会の眼差しも、当時の就職氷河期で新卒採用を抑制した結果、どの企業も30代層が薄くなっていること、あるいは正社員になれない若者の足元を見透かして、劣悪な条件下で派遣会社が暴利をむさぼっていた事実、そういう会社を重宝することで、人件費の圧縮につとめた企業群という構図。
 

 そんなさもしい社会の実像に、ようやっと良識的な大人たちが気づき始めている。
世間の「常識」や偏見が、現実に追いついてきたとも言える。あとは、その事業のテキストとして、下手な作文めいた拙著が、より多くの人たちに読まれる日を、首をなが〜くして待ちたい。