ピーター・バラカン『魂(ソウル)の行方』


 好きなものを熱っぽく語っている人の様子を見るのが、嫌いじゃない。でも、少ないんだよなぁ、それぐらい好きなものを持っている人が。ABC本店で、ピーター・バラカンさんが70年代ソウルを紹介しながら、それぞれの曲に呼応しながら、顔を少し蒸気させ、上体を揺すっているのを見ながら、改めてそう思った。


 バラカンさんが、以前出版された本『魂(ソウル)の行方』を、再上辞されたのを記念したトーク&DJショーに行ってきた。しかし、ロンドンでの青春時代に戻って曲にノッてるバラカンさんとは対照的に、固まっている聴衆たちが水際だっていた。時おり、「身体が動いてこない?」とバラカンさんが尋ねると、会場には笑いがおきるもののね。お勉強クンたちが多かった。


 オーティス・レディングジェームス・ブラウンなど、70年代ソウルが去年あたりから気に入ってる。あの時代の旋律が持っている情感を、自分の文章にもうまく注入したいと狙ってもいる。


魂(ソウル)のゆくえ

魂(ソウル)のゆくえ