北京五輪野球、米国に完敗〜がんばる女、勝てない男

 チューブトレーニングで両脚のすねを鍛えながら、あるいは、今週の新聞記事を切り抜きながら、日本対米国のゲームを観ていた。残念な敗戦だった。個人的に感じることはいろいろあるが、日本チームの脆(もろ)さ、打たれ弱さは、ぼく自身にもある。そういう形で、今回の敗戦を自分のものとして考えたい。


 たとえば、考えた企画が受け入れられないと、そこですぐに諦めてしまう自分がいる。相手の反応や意見をも取り込んで、企画書を新たに作り直し、別の編集者に当ってみる。そういうしぶとさが圧倒的に足りない。それは自分を信じる気持ちが足りないから。物書き以前に、人として致命的だな。


「やっぱり、今の日本は女性が支えているのよねぇ」
 にわか五輪オタクのうちの奥さんが、テレビ中継を観ながら言った。サッカーしかり、野球(ソフトボールと比較して)、バレー、柔道の結果を見れば、たしかにそうだ。本日の東京新聞夕刊一面の見出しも「がんばる女、勝てない男」。


 今朝読み返していた本の一節が、鮮やかによみがえってきた。著書の中で、吉野源三郎さんは、ナポレオンの生涯の長短両所に触れながら、最後をこう締めくくる。

 君も大人になってゆくと、よい心がけをもっていながら、弱いばかりにその心がけを生かし切れないでいる、小さな善人がどんなに多いことかということを、おいおいに知って来るだろう。世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない。人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気迫を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ。

 さぁ、まずは宙ぶらりんになっている企画書を書き直そう!


君たちはどう生きるか (岩波文庫)

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