川端康成『夜のさいころ』〜息を吸ってはくように書かれた文章


 まるで息を吸ってはくように書かれた文章だな。  
愛する人達』に入っている、川端さんの『夜のさいころ』という短編を深夜に書き写していて、ふいにそう思った。そう感じただけのことだが、おそらく間違っちゃいない。ちょっと呆然とした。いつまでも細かく構成を考えて、その上、何度も書き直しているようじゃ駄目。自分の拙文のことがふと思い出されてそう省みる。ヘタクソでもいい、多少つっかえても構わないから、せめて歌を口ずさむように書きたい。