K-1ミドル級・魔娑斗の折れない心

 心を折る、という表現と初めて接したのは、故・井田真木子さんの名著プロレス少女伝説 (文春文庫)大宅壮一ノンフィクション大賞)。神取忍ジャッキー佐藤戦での場面だった。 


 仕事から帰って、そそくさと夕食を済まし、何気なくテレビをつけたら、魔娑斗と佐藤のK-1準決勝。見ごたえある打ち合いだった。キックが武器の佐藤が、パンチが武器の魔娑斗相手に、途中から真っ向勝負のパンチ勝負を挑んだ心意気に、まずグッときた。


 さらに、その佐藤のパンチでダウンを喫してからの、魔娑斗の攻め続ける姿勢と気迫に、さらにグッグッと引き込まれた。判定を考えれば致命的なはずのダウンにも、少しもひるまない姿勢に首根っこをつかまれた。
 

 結局、決勝でもダウンを喫した魔娑斗が、準決勝同様、延長線の末に勝利。ひさびさの王座返り咲きを果たした。彼の驚異的なスタミナもそうだけど、ダウンを奪った佐藤、キシェンコともに、魔娑斗のその「折れない心」にこそ恐怖を覚えて、それ以降、手数が減ったように見えた。


 気合いをもらって、スチャラカも深夜ジョグ45分。5日は皇居周回20キロでファイト!