強迫観念が社会の原動力


 宗教人類学者の植嶋啓司さんの「強迫観念が社会の原動力」という視点が、おもしろい。「日経ビジネス・エクスプレス」の「ストレス革命」特集の「何も選ばない生き方のすすめ」のインタヴュー。それに気づくと、たしかに肩の力は少しぬける気がする。

 オブセッション(強迫観念)が社会の原動力だからです。一般に高度資本主義社会の発信するメッセージは「あなたには何か不足していますよ」というものです。「自分は満足している」と思っていても、「いいえ、このテレビを買わないと迫力あるワールドカップは味わえませんよ」とか「もっと健康になりたいならこういう治療が必要です」といった具合に、「いつも何かが欠けている」という強迫観念で社会を動かそうとする。