石田徹也〜「僕たちの自画像」展(1)(練馬区立美術館12月28日まで)

 ちょっと、イラついた。
バス停に行くと、目当ての場所に行くバスが、1時間に2本しかない。しかも、数分前に出たばかりで、次のバスまでには30分以上もある。
 どこか近くまで行くバスがないかと、近くのバス乗り場をうろうろしたが、経由するものはなかった。他の行き先も途中までの経路は同じだから、さほど遠くはないとは思うが、なにせ初めて行く場所だから周辺の土地勘もない。


 その時点で、何をそんなに急いでいるんだ?と、やっと我に返った。
 

 こういう場合も想定して、文庫本も持ってきている。バス停の陽だまりで、文庫本でも読みながら待てばいい、それだけのことじゃないか。仕事じゃないんだから。いつのまにか、待ち時間や寄り道が苦手になり、できるだけ無駄なく目的地に尽くことだけを優先している自分に気づいて、ゾッとした。(つづく)