本橋成一監督『バオバブの記憶』(文末にyoutube映像があります)


バオバブには魂が宿っているから、薪に使っちゃいけないんだ。燃やすと、魂が怒って火事になるんだ」
 映画『バオバブの追憶』の冒頭、アフリカ・セネガルの少年の言葉が印象に残ります。バオバブとは、サン・デグジュペリの『星の王子様』に出てくる、あの樹のこと。


 農作業や牛追いの仕事を手伝いながら、コーラン学校に通っている12歳の彼は、本当はフランス語学校に通って、将来は外国で商売をしたいと夢見ています。だが、家の経済状況がそれを許さない。だから、彼はそのことを誰にも言えないのです。
 12歳の日本人で、彼のように「魂」という言葉を正しく遣える人が、いったい、何人いるでしょうか。そう考えると、携帯電話の有無や高層ビルの多少と、少年少女の成熟はまるで関係がないことがわかります。


 映画そのものは、少年と家族、そしてバオバブの樹の日常を軸に進みます。
大きな事件は何も起こりません。バオバブを愛すると同時に、敬意を払い、畏怖する人々の生活。その節度ある細部を、映画は淡々と追っていきます。それをどう受けとめるかは、観る者にゆだねられています。
 親子で観られて、あれこれ話し合うことができる作品だとぼくは信じています。文部科学省選定、文化庁支援作品でもあります。


 ぼくはこの映画を観て、本橋さんが約20年前ガムをちぎってくれた理由を、恥ずかしながら、ようやくちゃんとわかった気がします。
 

星の王子さま、もういちど、地球にいらして、ご覧になってください。
 この星では、ヒトとバオバブの木が、こんなにも仲良しです。
 一方、そのバオバブを根こそぎにしようとしているのは、
 文明というバラの花なのです。

 
 壇ふみ(女優) 同映画チラシより引用          

(私のメルアドをご存知で、同映画の前売り鑑賞券1300円をご希望の方は、メールでお知らせ下さい。必要枚数と、チラシや新聞記事を同封の上、郵送させていただきます。チケット代金は、郵便書留で、チケット到着後にご郵送いただければ構いません。
 その際、書留および郵送代金は、私が負担させていただきます。チケット代金から、郵便書留封筒代金と郵送代金を差し引いた金額を、ご同封ください。)


●映画公開予定
4月 大阪第七芸術劇場、京都シネマ
5月 名古屋シネマスコーレ、神戸アートビレッジセンター
5月9、10日 横浜ワーナー・マイカル・シネマズみなとみらい