神戸とマスクと、なぜかマスカラス


「神戸周辺が何かと騒々しいようやけど、勤務先のほうは大丈夫か」
「過剰反応やな。でも、うちの子供も学校1週間休校や。取引先からは『マスクして来てください』っていわれるけど、どこも売り切れやし、まいるわ」
「そりゃ、大変やな。喜んでんのは子供だけか」
「子供も友達と遊ばれへんし、映画館やマックとか人の集まりそうなとこ行けへんし、ぜんぜん喜んでないで」


「そ、それは失礼。でも、ただのマスクつけてるだけじゃ、いちびり関西人としての誇りが許せへんやろから、どうや、いっそのこと、「マスクがどこも売り切れ」でという大義名分で、違うマスクつけて取引先に行ってみたら? ウルトラマン系のお面とか、ミルマスカラス系のマスクとか、あるいは小顔圧縮のシェイプアップマスクとか」


「そしたら関西人の営業相手やから『マスク違いやろっ!』って快くツッコんでくれた上に、『もう、Sさんったら、このご時勢に勇気あるイチビリやなぁ』って、相手の心をわしづかみにする作戦は」
「ふふふっ、どうせやったら、おれはマスカラスがええな。おまけに、パンデミック・キック付きとかな



「ええやんええやん、そのネーミング!なんか目にも留まらんキックみたいで、かなり不気味やわ
「ちなみに、マスカラスのマスクってけっこう高いわ。しかも、目と鼻の両方むき出しなんがエエわ
「意味ないやん!それ〜ってか」