藤代裕展『g...da...g...da 不眠の夜のオブジェ』(西荻窪・ギャラリーみずのそら)6月14日まで
午前中から昼過ぎにかけて、公園の木陰を選んで2時間半ゆっくり走る。シャワーをあびて昼食をとり、1時間ほどグッタリと昼寝。予定どおり走り終えた充実感を枕に、しあわせ。午後4時半、西荻窪駅から徒歩8分、ギャラリーみずのそらへ。
カフェ併設のL字型ギャラリーを埋めるように、テラス席と水を張った部分があり、そこに空が映る。いいタイミングに行けば、昼間の太陽をその水面が映すとき、月のように見えるらしい。さわやかな風が、水面からカフェへ時おり抜けていく。カフェに置かれている本もセンスが良くて、藤代さんがお客さんをアテンドしている間、ぼくはヴェルレーヌ詩集を見つけて、ビールの酔いにまかせて読みふけってしまった。
おもに木材やブリキなどの廃材をつかう藤代さんの作品は、どれも一見寡黙で少しひんやり加減だが、しばらく見つめていると、少し温かくてほっこりしてくる。余白がたっぷりとあるところも、ぼくは好きだ。ブリキの錆(さび)をいい味にして取り込んだ作品、ブリキと色とりどりの木片をソフトクリームみたいに造型した作品など、新たな方向性を感じさせる作品が目に付いた。
たとえば下の、錆びたプロペラをつけた、小さくてポップな家たち。家は、彼の作品群では重要な位置を占めるのだけれど、この組み合わせもおもしろい。・・・・・・「飛べないしあわせ」という言葉がうかんだ。
藤代さんのWEBはこちら。展示期間中にぜひ、どうぞ。