東京新聞❤(ラブ)〜86歳の元BC級戦犯VS22歳のフォトジャーナリスト対談「戦後64年・平和への忘れ物」(8月15日付特集20・21面)


 新聞記事を読みながら、こんなに何度も唸(うな)ったのはひさしぶり。たとえば、対談の中盤にこんなやりとりがある。ちなみに飯田さんが元BC級戦犯で、安田さんが上智大4年生のフォトジャーナリスト。

安田 飯田さんの世代はひとつの統一された思想を共有したから戦争ができた。逆に今の世代は無関心だから、国家が戦争をできるんじゃないかと思うんです。無関心だから気付かれることなく、許されてしまうのではないかと。


飯田 そうだね。そもそも、あなたはなぜ、こんなおじいちゃんとの対談を引き受けたの?私のどこに興味と関心を持ったのか、知りたいな。


安田 私が取材に行くカンボジアやシリアは、現在、紛争が起きている場所ではありません。ただ、紛争の影響を受けていたり、かつて紛争のあった所に足を運ぶと、やはり意識するんです。戦争って何だろうと。イラク戦争でゲリラ戦のようなものを体験し、シリアに逃れてきた少年は「僕たちはチェスの駒だ」と言うのです。駒を動かす人間は傷つかないけど、駒は傷つくんだと。もしかしたら、この一言が、戦争というものをよく言い表しているんじゃないかと思って。(つづく)