四川料理「芝蘭(チーラン)」の気品あるラー油

 じつは夫婦そろってラー油好きだ。
 有名になる以前から、ペンギン食堂の石垣島ラー油はお気に入りだった。昔行きつけだった酒屋のレジ前に、なぜか場違いな感じでおかれていて、小瓶にも関わらず900円もした。さぞや美味しいのだろうと試し買いしたら大当たり。それが3年後ぐらいに人気急上昇、品薄につき、大手百貨店で一人1個限定販売なんてことになっている。


 つづいて横浜中華街で、石垣島同様、具だくさんラー油を発見。しかも石垣の2倍サイズで580円と、とてもリーズナブルだったのが「風味鶏油辣椒」(中国製)。生産国に少々ビビりながらも試し買いしたら、具だくさん分の濃くがあり大当たりがつづいた。


 これには後日談もある。奥さんが南米に里帰りした際、食通の親戚Sさんが同地の中華街で、「これはお勧め」と指さしたのが「風味鶏油辣椒」だったという。アンテナをはっていると、妙に同じものが引っかかってくるらしい。


 そしてたどりついたのが、四川料理「芝蘭」のラー油。先日、取材の打ち合わせをかねて同銀座店で会食した。マーボー豆腐も、汁なし坦々麺も上品な辛みで美味。何より、赤唐辛子がどっさり入った海老の炒めものが、少量ながら気品のある辛味で絶品だった。
 これはと思い、レジ前で売っていたラー油700円を購入。後日、ポン酢に少量たらして餃子を食べると、生まれてはじめてラー油に気品を感じた。ただし、神楽坂店か銀座店に行かないと買えません。