立川マスターズ(ハーフマラソン・昭和記念公園)

 ドドクンドドクンドドクンッ・・・・・・、仰向けに寝転ぶと、両方のふくらはぎから太腿にかけて、血液がいつにない、はげしいスピードで駆け巡っているのがよくわかる。秋の、少し高い青空を見上げながら、今、ふくらはぎの血管を切れば、噴水みたいな勢いで、ぼくの血が噴きあがるだろうと夢想する。ふいに汗まみれの顔がゆるんだ。


 東京マスターズロードレース(ハーフ)が、立川の昭和記念公園内の約5キロの周回コースでおこなわれた。晴天と紅葉が深まる森の中、起伏のあるコースで汗をかいた。スタートラインまで2分少々かかったから、1時間47分程度でフィニッシュ。


 抑えたつもりでも、やっぱり最初の5キロが早すぎた。来週のハーフでは、最初の5キロを遅いと感じるぐらいで入り、そこからのペースアップを試してみたい。
 一方で、3周目は肩甲骨をうまく使って、下半身を引っ張れたのはよかったし、最後の4週目も重たいながら脚も使えた。普段の地味な筋トレのおかげで、体幹がだいぶ強くなったことを走りながら実感できたことも収穫。


 帰り道、JR立川駅ビルの中華街フロアで、酸ラー湯麺を汗をぼたぼたかきながら食べる。疲れた身体にこの辛みと酸味がたまらない。コップの水を3回お代わりし、顔から拭きだす汗を何度もタオルでぬぐいながらも、食べる手は止まらない。
 お店の人にお酢を持ってきてもらい、さらに加えてみる。酸味にふくまれるクエン酸を、身体が求めてやまないせいだろう。ぼくはただの飢(かつ)えた胃袋になっていた。