「たまにはtsukiでも眺めましょ」(JR池袋駅西口)

 開店前の取材から、久しぶりに深夜まで「たまつき」で過ごしてきた。全14席の店だが、テーブルとカウンターでそれぞれ話していた人たちが、店主・高坂さんの紹介でふいにつながり、話に花が咲く。


 この日も、高坂さんの本を読んできた人が三人。それぞれが知り合いを同伴してきていた。その一人は高坂の本との出会いがきっかけで、近々都内でバーを開業予定。どうやら、その報告をしに初めて来店したらしい。


「儲からない店」を掲げ、休日には米作りを楽しみ、「稼がない自由」を満喫する高坂に、人生のロールモデルを重ね見ようとする人たち。それぞれ名刺交換がはじまり、お客さん同士がつながり始める。こんな磁石のような店は、なかなかない。