池田晶子著『暮らしの哲学』
「なぜ自分はここに生まれて、あそこに生まれなかったのかということは、考えても、理由がない。理由が見つからない。ということは偶然である。したがって絶対である。この、偶然的なことが絶対的であるという原点に気がついていると、自分の人生に、言ってみると腹が据わるんですね。人と比較することがなくなるですよ、だって絶対なんだから」
「五十六十の歳まで、病気を知らず、風邪くらいしかひかず、元気に思うように生きてきた健康優良な人は、よく言えば明朗で気持ちのよいものですが、悪く言えばツルッとして面白味がない。心にダシが効いてないぶん大味で、話していてどうにもつまらないような感じがする」
こういう行間のある言葉にふれるために、あるいは自分なりの気づきや、すこやかな諦念を手にするために、今日や明日があるんだと思うと、けっこういい。ボナペティ(どうぞ、召し上がれ)!
- 作者: 池田晶子
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 単行本
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