雑草魂

 ようやく春めいてきたベランダの観葉植物のひとつの鉢に、どこかから飛んできた雑草の種が勢いよく繁殖し、鑑葉植物そのものがすっかりしおれてしまっていた。

 それが植物そのものの寿命なのか、雑草の仕業なのかはわからない。腹いせまじりに、その雑草を引っこ抜こうとすると、すでに4、5センチの根っこを土中深く伸ばしていることに気づいた。

 先週土曜日、千葉の田んぼでも似たようなことがあった。
 表面の土をひたすらスコップでひっくり返す作業に取り組んだ。先週ひっくり返した土の表面にも、すでに直径3、4ミリの雑草が点々と生えている。試しにそれをスコップでひっくり返そうとすると、その白くひょろひょろした根っこが、土と土の間に広がっていて、スコップですくっても、なかなか切れない。

 雑草に悪戦苦闘しながら、自分は今、いったい、何に、どんな根を伸ばそうとしているのかと考えると、ふいに言葉につまってしまった。