佐藤優著『読書の技法』(東洋経済新報社)〜5分間の超速読と30分間の速読

 まだ読みかけだが、この本にある超速読を、ウィリアム・パワーズ著『つながらない生活』(プレジデント社)でさっそく試す。
 まず最初の1ページと目次を読み、それから読まずにひたすらページをめくりつづけ、気になった語句やフレージには付箋をつけるか、アンダーラインを引きながら、最後の1ページをしっかりと読む。それが佐藤さんが勧める、5分間の超速読。
 
 これが面白いのは、近頃の本は太字ゴシックなどで読者の注意を引きたいポイントを示しているから、目次のラインナップと、5分間ページをめくるだけでも、だいたい本の概要がつかめてしまうこと。

 つぎに、付箋をつけたり、アンダーラインを引いたところを、30分間でコンパクトに読むのが、佐藤さん言うところの普通の速読。ネット時間との適正な距離のとり方がテーマの『つながらない生活』

つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方

つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方

については、この5分間と30分間の読後感にさほどギャップはなかった。もちろん、なんとなく全体の想像がつきやすい表題とテーマだということは、差し引いて考えるべきだろうが。

 まっ、実際にはノートに抜き書きするなどの技法が加わるのだが、速読のアプローチとして読んでも、誰かから勧められないと自分では到底考えつかなかった。興味のある人はお試しあれ。