16人のお客さんと『星影の小径』〜「土と平和の祭典」(日比谷公園)


 NPOトージバさんのブース隣で、拙著を並べて、昨日の朝から夕方までで16人の方々に買っていただいた。最初の3時間は1冊も売れなくて、どんどん不安はふくらんでいったが、まぁ、最初にしてはまずまずか。いやぁ、誰かにモノを買ってもらうのは大変だなぁとあらためて実感させられた。これを100日つづけても1600冊。他方、先にゴーストライターとして書いた本が現在2万3000冊。ここに出版業の難しさと面白さがある。両方知ることに大きな学びもある。


 今の仕事や働き方に疑問や違和感を持っている人、仕事を辞めて実際に農的生活を始めながら生き直そうとしている人たちと話すことができて、拙著のようなモデルや情報が求められていることを改めて感じることもできた。それも自分の名前で自分の”歌”を歌うことの広がり。
 本はけっして安くない。でも、だからこそ、買ってもらえるのはうれしい。わたしみたいなモンでも、サインをさせていただくと喜んでもらえたりして。当日出店していた有機農家さんや生産者の方々も、こういう気持ちなんだろうなぁ。


 自分の仕事がどこの誰と、いったい、どんなふうにつながっているのかが見えづらい世の中で、それはとても大切なこと。そこに自分なりの回路をつくることで、その人自身が働くことと生きることを新たに蘇らせることはできる。それは拙著の6人の登場人物たちの軌跡とも重なる。田んぼで米を作って収穫して自分の口に入れておいしいと感じるのとは違う意味で、今回も世の中とつながる手応えがたしかにあった。


 今回、池袋のオーガニック居酒屋「たまTSUKI」店主・高坂勝さんのご紹介で(拙著第1章にも登場)、田中優さんや塩見直紀さん、そして歌手のアン・サリーさんにまで拙著を差し上げることができた。この場を借りて、高坂さんには御礼申し上げます。
 昔からアン・サリーさんの歌は好きだったので、昨日はLIVEが聴けるだけでラッキーだと思っていたのに、直接ご本人に手渡せる幸運にめぐまれ、ちょっと有頂天気味に。「なんか、ただのミーハーおじさんじゃないですか」と高坂さんにも突っ込まれたが、わだすはぜ〜んぜん平気です。帰宅後、立ちっ放しにしゃべり放しで疲れた身体を横たえ、両肩を温かい手でもみほぐされるような彼女の歌声に聴き入る幸せ。(以下のURLで、拙著のプロローグや目次などをご覧いただけます)
http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1317-7.htm
アン・サリー『星影の小径』をお聴き下さい。