鶏生レバーと甘い醤油の相性〜高円寺マルキュウ


 ◯△鶏(名前をド忘れした)の生レバーに胡麻油をつけて口に入れると、芋焼酎のロックを一飲みして口を固く真一文字に結びたくなる。その内実はともかく、年齢の上では大人になってよかったと思う一品。馬刺はもちろん、はじめて食べた鶏モモ肉の叩きも、南九州の甘い醤油とじつによく合うことがわかった。そして生肉が、眠っていた自分の獣の部分を少し目覚めさせてくれることも。

 
 鹿児島生まれの美容師の紹介で、高円寺の九州料理マルキュウに友人と出かけた。駅南口を出て左側に少し入った神社の前にある店は、ほぼ満員盛況。カウンター席でも予約しておいてよかった。冒頭の料理に明太子の天ぷら、2人前のもつ鍋、〆は鍋の残り汁にラーメンで大満足。というか、オジさんたちの胃はもはやそんなに大きくはない。生肉を出す店だからモツも新鮮で、スープの濃がどんどん増していく。2人で焼酎2杯ずつで合計約6000円。これは流行るわ。


 その後、満を持して2人で高円寺北口すぐの「ブルー・オン・ザ・ベルベット」へ。アニメ『サイボーグ009』や映画『戦国自衛隊』の主題歌、憂歌団の「大阪ビッグリバーブルース」などをリクエストして唱和し、40代の郷愁を煽りに煽って心地いい年忘れの2時間をすごした。約20年来の友人は、明日は小学1年生の息子の父兄参観だとにこやかに言い残し、改札口を抜けていった。