「脱経済成長の、さまざまな幸せの働き方」無事終了

 雨の中、蔦屋書店代官山店にたどり着き、控え室に指定されていた2階ラウンジに入ると、深緑色の革張りソファが並ぶラグジュアリーさにちょっと緊張した。だって、イベントタイトルが「脱経済成長」ですからね。雑誌「太陽」や「VOUGE」、「暮らしの手帖」などのバックナンバーが居並ぶ。

 
 イベントゲストは、オーダーが無料ということで、ゲストの高坂勝さんとオジさん2人でチョコレートパフェを注文(笑)。イベント担当者の方に聞くと、50代以上のシニア層をターゲットにしているのだが、若い人の利用が多いらしい。


 午後7時からイベントスタート。参加者20数名から始まったが、最終的には30名ほどになり、30畳ほどの1階イベントスペースも適度な広さだった。参加者の年齢層も高坂さんや、ハンディハウスの知人、友人もふくめて20代から30代で、後半から笑い声も聞こえて来てうれしかった。


 イベントの中のやりとりで一番印象的だった話。高坂さんの知り合いが、大手メーカ―の幹部なのだが、年収1000万円超でも、マイホームと高級外車を持ち、2人の子供さんのうち、1人を私立の中高一貫校に通わせていると、もう一人を私立に通わせるお金がなくて困っているという。
 他方、既婚の高坂さんは小さい居酒屋をマイペースで経営して年収300万円で週休3日。賃貸マンション暮しで、毎月両親に少額とはいえ、仕送りをしている。


 もちろん、どっちがいい、悪いという話ではない。
だが、既存の経済成長型と、手作りスモールビジネスでの脱経済成長型の生活という選択肢があるんですよって、あなたはどう思いますか?という問いかけは、イベントとしてできたと思う。


 ハンディハウスの坂田君(26歳)の、ユニクロ買わない生活ゲームも笑いを取っていたし、同じく中田君(30歳)のパワポを使ったプレゼンでも、施主を巻き込むリノベーションの楽しさ、多様さは伝わっていた。
 オーガニック食品を毎日食べていると、添加物が使われている外食をすると、身体に異変が出てしまうという、高坂さんの話も説得力があった。何を買い、何を買わないかということだけでも、自分にとって居心地のいい世の中に小さく変えていいくことはできるんだ、と。


 昨年12月の紀伊国屋書店新宿南店での丹羽順子さんとのトークに始まり、合計3回のイベントで、のべ90名ほどの聴衆に拙著の登場人物の方々の話を聞いていただけたことをあらためて感謝します。また、高坂さん、中田君、坂田君、お疲れさまでした。