大阪・堂島川ラン

 夕方、新大阪について淀屋橋のホテルにチェックイン。翌日からの取材行程を書き出し終えてから、数日前に買ったばかりのシューズで走り初めに出るが、ちょっと早すぎた。6時過ぎに御堂筋に出ると、退勤ラッシュの流れに巻き込まれてしまう。モノクロームの人ごみに、赤の長袖ランニングシャツに黒いキャップ姿は、まるで醜いアヒルの子みたいに浮いている。


 ミズノのランニングステーションMAPを踏まえ、まずは御堂筋沿いの日銀を左折、堂島側沿いに朝日放送社屋前でUターンして日銀まで戻る。路面はきれいに舗装されていて走りやすい。今度は御堂筋を越えて大阪市役所前からバラ園、さらに大阪城公園をめざす。


 中之島図書館は、その昔、韓国留学から戻って大学の卒論を書くために通った場所で懐かしい。カップルの多いバラ園を抜け、天神橋を渡ると街路樹が増える代わりに、人気がめっきりと減る。そこから渡るべき川崎橋がわからず、ひとつ先の橋まで走ってしまい、そこからようやく大阪城公園に渡る。
 6時40分すぎになると、ネオンが点々と灯り始め、街中ジョグの気分が高まる。走り始めは少し冷たく感じた川風も、汗を適度にかいたせいか、ちょうどいい。

 
 大阪城公園近くには父が以前入院していた病院と、拙著のドラマ化の際に撮影現場にご招待いただいたNHK大阪がある。いずれも懐かしい場所。ふたたびバラ園まで戻ると、7時近くで、女性のランニングチームとすれ違う。そうか、この時間帯から近くで働くビジネスパーソンたちが走り始めるのか。今回のコースなら10キロほどになるだろう。


 京都の賀茂川につづき、大阪・堂島川ランも無事終了。この2日後に再会した中学時代の友人は糖尿病が見つかり、共通の知人が脳内出血で入院中と知ることになる。走れる体力と健康がある幸せを噛みしめる。
 午後7時スタートにすれば、もっと川沿いの夜景とネオンを満喫できただろうが、まあ、それは次回のお楽しみ。ひとっ走りした後の生ビールのうまさは格別だし、今夜は串カツで決まり。翌朝に備えて早めに就寝する。大阪出張の予定があるランナーの皆さんにもおすすめコースです。