*[book]不思議な風 〜 本日発売『抱きしめて看取る理由』(ワニブックスPLUS新書)


 生きていると、時おり不思議な風に吹かれる。
 事前に拙著を献本したNHKの人からも、週刊AERAの人からも「看取り士」という言葉を初めて知ったというメールが来た。そんな状況で昨日発売された『週刊文春』で大々的な看取り特集が掲載され、一般社団法人「日本看取り士会」の柴田久美子会長の写真と「看取り士」という仕事が紹介された。発売前日に「看取り士」という言葉が40万人近くに一気に流通した後に、4冊目の拙著が店頭に並ぶという幸運に恵まれた。文字通りの予想外。できるだけ目立つ場所に並べられるとうれしいな。


 大病院の人寂しい裏口からではなく、たとえ狭くても最期は自宅玄関から肉親を堂々と送り出してあげたい。そんな希望を持つ人たちを支える「看取り士」という仕事に着目して、彼女らがつくり出す温かくて幸せな死の時間を描くことに挑みました。親御さんを自宅で看取った方々などを訪ねて、泣き笑いの時間を共有しながら生まれた一冊です。暗く冷たくて、病院では「残念な敗北」として扱われれている死の先入観をどこまで覆せているかどうか、ご感想をお待ちしています。