「東京うなじ」クルーズ〜隅田川と人生を下りまくる



 東京メトロ浅草駅5番出口地上口に出ると、あの神谷バーを中央に、映画『ALWAYS三丁目の夕日』さながらの橙色に染まる街並み。川向こうにはスカイツリーが望める。気温28度もあつた日中からは一転、川岸から涼しい風が頬に。これぞ4月下旬の水上バス日和。先週末に「TOKYO CRUZE」前で、沖縄から上京した友人らと待ち合わせ。お上りさんを連れての、隅田川舟下り&銀座・老舗肉料理店ツアーを企画した。


 日もとっぷりと暮れた隅田川縁に降りると、きれいに舗装された遊歩道が伸びていた。これは絶好のジョギングコース!日の出桟橋行き水上バス乗り場に列を作るのは、我々3人以外は外国人観光客が多く10数名とガッラガラ〜。
 乗船時間約40分で780円。缶ビールで火照った頬に心地いい風を受けながら、水上バスは五十路オヤジの人生のように加速しながら下っていく。銀白色に輝くスカイツリーが、赤いランプを灯した橋と交差しながら遠ざかり、右川岸には佃島や八潮のタワーマンション群が順に望める。


 車道から見えるのが「表の東京」だとすれば、隅田川からは普段見られない「東京のうなじ」を、こっそりと覗き見している気分。船上ゆえに写真もブレる。アルコールも少し入って風と波間に僕らも、東京うなじも揺れている。
 日の出桟橋からは少し歩いてタクシーでJR新橋駅まで移動。銀座で老舗肉ビストロ「マルディ・グラ」で夕食。ジューシーなハンバーグと、沖縄アグー豚がうまかった。でも、楽しみにしていたモツ料理が早々に売り切れで残念。