幸か不幸か、いいか悪いか

 長い付き合いの書籍編集者からメールが届き、東洋経済オンラインでの拙記事の反響を喜んでくれた上で、こう書いてきた。
「前にも話しましたが、ルポの主戦場は、幸か不幸か、いい悪いは別にして、最も読まれうる、という意味で、オンラインに移ってきているのかもしれませんね」


 ルポというには、小首を傾げたくなるような短い文章量でしかない。だが、書店そのものが加速度的に街中から消えていき、近所のスーパーやコンビニの雑誌売り場も、店舗入口付近から奥まった場所に、あからさまに撤退、あるいは縮小している。


「ザ・斜陽産業」然としたアナログ業界の暗澹たる現実。背筋を伸ばしてそれと向き合えば、ネットで人目に触れるテーマと切り口を探り、フルーツパフェの先端の、その一口目だけでも美味しく味わってもらえる情報発信のやり方を研ぎ澄ますしかない。