2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

モーツァルト生誕250周年〜失望させられたわ、と彼女は言った

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失望させられたわ、と彼女は言った。 ぼくはまだ21歳で、彼女はたしか3、4歳年上の、ソウル市内の銀行に勤務するOLだった。子どもの頃から熱烈なモーツァルト・ファンで、大きな期待を胸に、封切られたばかりの映画『アマデウス』を観に行ってきたとい…

ひきずっている一言

いきなり堀江社長が逮捕されてしまった。だが、昨日書いたのは報道姿勢についての疑問だから書き直しはない。腐るほど社員がいて、東京地検特捜部の人間との付き合いの濃淡だけで、確認作業もしないまま、受け売り情報を垂れ流すだけなら、プロの仕事とはい…

ライブドア報道への危惧〜東京地検発の情報プラスアルファだけで「犯罪」を作り上げていいのか

まだ真偽はわからない。 ただ、東京地検がああいう形で強制捜査に踏み切る以上、かなりの確証をつかんでいることは想像できる。やたらとテレビに顔なしで証言している元ライブドア幹部など、周辺情報を収集した上での捜査だったこともわかる。 しかし、メデ…

成田パニックと”機上迷子”騒ぎ

いきなり入口付近から、いままで見たこともない長蛇の列だった。義理の両親が南米に帰国するので、見送りに行った成田空港の出発ロビーでの話だ。前日の欠航で空港内で一晩をすごした人たちだった。9600人強もいたらしい。たった10センチ程度の雪で、…

須田国太郎展〜怒りなのか孤高なのか、まるで得体が知れないけれど惹かれる「黒」

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ひさしぶりに、ひとつの絵の前で時間を過ごした。でも予想以上に午前中の取材で疲れていて、でも離れたくなくて、近くの椅子で休憩しながら、のべ50分近くはいたと思う。15日のNHK「日曜美術館」で観た須田国太郎の「犬」の絵だ。須田さんの全作品をひと…

鈴木慶一さんと丸山茂雄さんも「はてな?」ユーザー!!

ムーンライダースの鈴木慶一さんは、「我がメインテナンスの日々」、元ソニーミュージック・エンターテイメント社長の丸山茂雄さんは「丸山茂雄の音楽予報」。なんかミーハーだけど、同じ「はてな?」ユーザーかと思うと、ちょっと自慢かも。

大きなお世話かもしれないが、新生NHKは大丈夫か

夕方、NHKの大相撲中継をちらっと観たら、ゲスト解説にデーモン小暮が出ていた。近頃不入りらしい大相撲の観客動員に、若者受けする芸能人を活用するのは、わかりやすい。アナウンサーと、元大関「貴の浪」にはさまれて、ど派手なトサカみたいなのをつけて座…

小林秀雄と5代目古今亭志ん生は、なぜか似ている?!

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おもしろい繋がりだ。小林秀雄の講演録テープを図書館に返しに行ったら、同じ棚に5代目古今亭志ん生のカセットブックが目に入った。「名人」という評判がちらっと頭をかすめたので、ついでだから2本ほど借りてみた。 すると、その話しっぷりが、小林秀雄と…

植田正治展『写真の作法』〜高さ地上3センチのリアリティー(2)

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背景の喪失―植田さんの「砂丘シリーズ」がモダンでかっこいい半面、ぼくの心を少し傷つけるかのように引っかくのは、その砂丘が消し去った「背景」について想うからだ。 1963年に大阪府で生まれた僕が小学校に上がる頃、つまり70年代に入ると、うちの近所の…

シマンテック社の製品は、もう二度と買いません

シマンテック社の電話サポートは、つながらないことで有名らしい。今日、新宿の量販店の人がそう話していた。ソフトを購入する前に、そういう情報を確認すべきだったと後悔する。 早朝、同社の電話サポートに電話した。昨夜来、メールの送受信ができなくなり…

植田正治展『写真の作法』〜高さ地上3センチのリアリティー(1)

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ありそうでいて、じつはない。そういうものに人は新しさを感じる。それが、まるでありそうにないものだと、嫌悪感や違和感が強すぎてしまう。そのさじ加減は微妙だ。 植田正治という名前を知っている人は、「あの、砂丘に家族や人が写ってるモノトーンの写真…

全国高校サッカー、野洲高校優勝!〜観てて面白いサッカー

ロナウジーニョの人気が高いのは、彼のプレイが観てて楽しくて、思わずワクワクするからだ。華麗なパスとドリブル、そして思い切ったサイドチェンジを駆使する野洲(やす)高校のサッカーにも、同じことが言える。 鹿児島実のとにかくクロスボールをゴール前…

ビリーホリディ「レディ・イン・サテン」〜越年して聴こえて来た歌

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年越ししたら、なぜか聴こえてくる歌というのがあるんだな。しかも新年早々に。 去年の春ごろ、吉祥寺に出かけたとき、プラッと入ったタワレコで買った一枚。だけど帰宅して聴いてみると、その声がずいぶんと干からびていて最後まで聴けなかった。ストリング…

初春に一句(2)

寒冬の 青き蕾(つぼみ)に 赤みさす 鉢椿見て 背筋をのばす

向田邦子『あ・うん』〜「帯に短し襷(たすき)に長し」な人生の哀歓

義父が読みたいと話すので、まず単行本を探したが、紀伊国屋書店に問い合わせるともう絶版だというので、文春文庫版を買い求めた。義父は、映画とテレビドラマで観ていて、原作を読みたくなったらしい。 義父が読み終えた後、なにげなくページをめくり出した…

初春に一句

初春に 白髪光らせ とぼとぼと 老婆の丸く 強き背を追う

レントゲン写真みたいな質問

「あなたの人生に必要な4つの『ボール』とは何ですか」―仮にあなたがそんな質問を受けたら、どう答えるだろう?ここで言う「ボール」とは、「エッセンス」や「要素」といったことの比喩にすぎない。 今月から来月にかけて、あるアメリカ人経営者をインタヴ…

古びない言葉、つながる言葉

久しぶりに耳にする高音で、べらんめぇ口調の彼の言葉が、ぼくの心にビンビンと響く。 「わかることと、苦労するということは同じ意味ですよ。苦労せずにわかるってことは、知識がひとつ増えるってことにすぎない。みんな、手っ取り早く、いろんなことがわか…