2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

阿奈井文彦『名画座時代』〜「便利さ」は感動の深さを間引いてしまう

みんな、憎らしいほどいい顔をしている。 昭和30、40年代全盛だった「名画座」とよばれた映画館の元支配人やその家族、映写技師、看板技師といった人たちだ。時代の波に飲みこまれて休館した映画館が大半で、わずかに二代目や三代目によって細々と続いて…

『レンタルお姉さん』続報〜29日付け朝日新聞に広告掲載

私はまだ未確認ですが、昨日29日の朝日新聞に拙著の広告も掲載されたようです。東洋経済新報社さんに感謝。アマゾンの順位が3000番台から300番台に急上昇(それでも300番台というのが切ない・・・)。新宿東口の紀伊国屋書店本店1階に、一度消…

90歳の女性からの手紙に教わる

「青葉茂り心地よくそよ風が通り過ぎていく頃となりました。山々の木々もつやつやと輝いて見えます」 そんな書き出しで始まる手紙をいただいた。差出人は京都府在住の90歳の女性、私の母親の親戚だ。開封すると便箋2枚に、改行の余白さえなくびっしりと書…

ドキドキカチカチ営業マンの巻

あのぉ、お仕事中すみません。じつはぁ、あのぅ私、1階のノンフィクションのコーナーで、平積みしていただいている『レンタルお姉さん』という本の著者の荒川と申します。そう言いながら、自分の耳たぶが赤らんでくるのがわかった。 声をかけられた若手の書…

『レンタルお姉さん』続報〜いまどき、本を流通させていく方法

昨日の「文春」発売と前後して、大手民放各局からの取材依頼が、レンタルお姉さんたちを擁するNPO法人『ニュースタート事務局』に寄せられたという。来月、軒並みテレビで放送されることだろう。スチャラカとしては明日ぐらいからバンバン流してもらいたいが…

『レンタルお姉さん』続報〜本日発売の「週刊文春」2P記事掲載!

昨日の夕方、友人の事務所にバスで出かけた。バスで移動中に雨が激しくなったものの、ちょうど終点に着いたときには、なぜか太陽が顔をのぞかせて虹がかかった。二年ぶりぐらいの虹だった。あれは今日の暗示だったんだな。 本日発売の「週刊文春」で、拙著の…

野見山朱夏(あすか)句集『朱』(ふらんす堂)〜対象の客観写生から、やがては「天空からの凝視」へと昇華された眼力の凄み

その人が好きなものはその人に似ている―『デザインの輪郭』の著者で、デザイナーの深澤直人さんについて、少し前に書いた(id:rosa41:20060514)。その本の中で、深澤さんが仕事場の机にひそませていると書かれてあったのが、野見山朱夏の句集だ。そこで最寄り…

鹿児島出張で幻の芋焼酎「村尾」と対面!

すでに先々週の話になってしまったが、これは書いておきたい。 鹿児島出張で1泊したのだが、その夜、地元カメラマンの方の紹介で、編集者と出かけたのが郷土料理店「さつま路」。そこにあったとよぉ〜、ま、幻の芋焼酎「村尾」が。 一合954円だった。飲…

『レンタルお姉さん』続報 (in 紀伊国屋書店・大阪梅田支店)〜コツコツ健闘中

大阪在住の高校時代の友人が、デジカメで撮影した写真を送ってきてくれた。拙著を、経済書コーナーの今月のおススメ本にしてくれている同店は、手作りポップを立ててくれています。梅田支店の書店員さん、ご支援に感謝します。また、本日の読売新聞生活面に…

ジャン=フランソワ・フリオ『大いなる休暇』〜遠い島の話が私たちの社会とダブる理由

とても映画らしい映画を観た。カレー屋「えすと」の井上さんから送ってもらったDVDだ。カナダのケベック州にある過疎の島に工場誘致話が持ち上がる。かつて漁業で栄えた島はもはや廃(すた)れ、大半の住民が失業保険で生計を立てている惨状だったからだ…

『気候変動+2℃』出版記念トークショー〜 大きな言葉>小さな言葉>途切れる言葉

「地球温暖化」−なんかマズイ、深刻だぞ、と思わせる「大きな」言葉だ。 けれど、じゃあ、オレはどうしたらいいのか。そうなると、途端にわからなくなる。言葉の大きさや深刻さの割に、それがどこへどうつながるのかが見えない。「自分」という「小さな」言…

『レンタルお姉さん』続報〜タンポポの種のようにあちこち飛んでいく

現在、紀伊国屋書店梅田店WEB「ビジネス書売場新着情報」として、「今月のお薦め本は『レンタルお姉さん』」という赤字テロップが流れているのを発見!また、八重洲ブックセンターWEBの4階ベストセラーでは、『レンタルお姉さん』が9位にランクイン。ちな…

石川寛『好きだ、』〜言葉を削ると、人はそれを探そうとする

ありふれた言葉で、観る者の心をどれだけグッと突きさせるか。いい映画やいい本の着地点はそこだ。 だから、『好きだ、』は、最近なら『エターナル・サンシャイン』以来の、いい映画だった。05年のニューモントリオール映画祭で、最優秀監督賞を受賞したの…

『レンタルお姉さん』出版記念パーティで口の中カラカラの巻

竹橋の如水会館で午後2時半から、メディア関係者対象の『レンタルお姉さん』出版記念パーティーが開かれた。新聞・雑誌・テレビ関係者の方々に、拙著に登場するレンタルお姉さんたちとじかに接していただくためだ。30名ほど集まっていただいた。 冒頭に1…

「大きくて美しい欲望をきちんと持つ」〜心にひっかかる言葉、心をひっぱる言葉

じつは14日に、二つのイベントに出かけた。まずは青山ブックセンター本店での、作家・川上弘美さんと松浦寿輝さんのトークショー。黒の長袖シャツにスカートに黒いソックス姿で登場した川上さんは、韓国女優のチェ・ジウと、竹久夢二の美人画モデルを足し…

創業3周年の田町『ヌースフィア』ヘ献本

拙著の3000部増刷が決まった。ちょうど夕方、田町のオーガニックカフェ&ダイニング『ヌースフィア』に行く予定があったので、お店のカウンタ―でH社長と軽く祝杯。半年以上のご無沙汰だったのに、温かく迎えてもらい嬉しかった。拙著をお店へ献本させて…

深澤直人『デザインの輪郭』〜暮らしの重心を知るデザインの強度

本との出合いは恋愛に似ている。どちらも理由なく目に留まる。そして気になり、目が離せなくなる。もっと読みたく、あるいは知りたくなる。 恋愛についてはさておき、いい本を見分ける嗅覚には自信がある。ここでの「いい本」とは、新たな発見をさせてくれる…

本日より鹿児島・神戸出張のため、13日までブログはお休みです。

悪い話といい話―神様の絶妙なバランス感覚

5月1日発売の拙著『レンタルお姉さん』、日経紙の大型広告にもかかわらず、実売はイマイチ。・・・落胆しかけてたら、いい話が舞い込んだ。でも内容はまだ言えません。とにかく悪い話といい話、神様のバランス感覚は絶妙である。

石川直樹トークショー(青山ブックセンター)〜「世界」という物語を読む眼差し

好奇心が旺盛な方だから、あちこちうろついて、いろんなものを見て、いろんな人に会ってみたいとぼくは思う。反面、そんなぼくの弱さは、ふだんの日常にこそ本質的なもののすべてはすでにあって、それとどう取っ組み合うのかという意識が中途半端なこと。 冒…

「レンタルお姉さん・お兄さん」募集中〜リクナビNEXTで求人中

リクナビNEXTで今、「レンタルお姉さん・お兄さん(自宅に引きこもるニ―トと交流して、彼らに就学や就職に向けた行動を起こさせる訪問スタッフ)」の求人募集が行われています。他人から「あなたはおせっかい型ね」と言われる人、人間に関心がある人や、…

一日乗車券都内めぐり

昨日、行き先のない旅を夫婦で試みた。都バス・都営地下鉄・都電の一日乗車券700円での都内めぐり。発案者は当然ボク。ええ、思いっ切りヒマですf(^^;)。そこで目に留まった風景をご覧下さい。 JR王子駅前は995円ブーム到来 「性を創る!」ム…

『かもめ食堂』へのオマージュ(敬意)

きれいな余白 だれもいないプールで 彼女はひとりすいすいとすすむ とりたてて速いわけでも かっこいいというわけでもない平泳ぎで ひととじぶんをくらべることなく ただただ前にすすむすがたが とてもきわだっている ヘルシンキのきゃくのいない店のなかで …

『ダークサイドからの逃走』〜全体像なき世の中と向き合うこと(4)

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最後に、同展覧会パンフレットより抜粋します。 「この世の悪はない。悪はすべてわれわれの心の中にあって、これを滅ぼすことは可能である」―トルストイ 私たちは常に平和を求めながら、一方では異なるものとの共存には寛容になれない困難さをもかかえていま…

『レンタルお姉さん』、丸善WEBで書店員さんおススメ文芸書に登場!

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5月2日に更新された丸善のWEBの「スタッフおすすめの文芸書30点」で、拙著が紹介されています(同ポータル左側の「和書」ボタンをクリック、つづいて「文芸」ボタンをクリックすると、中央に「スタッフおススメの本30冊」が横並びで出ています。し…

『ダークサイドからの逃走』〜全体像なき世の中と向き合うこと(3)

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英国プレミアリーグのベンゲル監督(アーセナル)をもっと甘くしたような顔だちの彼は、その2時間あまり、とても穏やかで気品のある話しぶりだった。 けれども彼の次の発言に、ぼくはあ然とさせられた。 「9・11」のとき、私は世界貿易センターの近くの…

『レンタルお姉さん』広告〜日本経済新聞5月1日(月)第2面下掲載 

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