2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日経BP-net@特集「労働ビッグバンは消えたのか」

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新聞では紙面に限界があって書ききれないけど、週刊誌では真面目すぎて記事になりづらい。あるいはマスコミ報道が続いてもあまりに表層的で、問題の本質にまで深まっていかない。 そういうテ―マを選び、当事者もしくは関係者たちを取材して、ネットコンテン…

石井苗子著『「元気」をこの手に取り戻すまで』(ダイヤモンド社)〜マイナスの感情を生きる方向へ逆噴射するという方法

偶然、宮成さんの本と同じ時期に新刊本として書店に並ぶことになりました。元テレビキャスターで、女優の石井苗子(みつこ)さんと、ぼくが1年近く対話を重ねて生まれた一冊です。どちらも逆境から夢を実現したという共通点をもっています。 「マイナスの感…

宮成なみ著『奇跡のごはん』(東洋経済新報社)〜日々食べているものが、自分のいのちをどう支えてくれているのか、知っていますか? 

昨年来、取り組んでいた1冊が今週末、全国発売になりました。奇跡のごはんです。著者である宮成なみさんと一緒に笑い、食べ、泣いたりと、多くの時間を共有しながら生まれました。 自分が食べているものが、どのように自分の「いのち」を支えてくれているの…

TBS情熱大陸『古谷千佳子』(海人写真家)〜「物狂(ものぐる)ほしい」の輝き 

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古谷さんの撮った、沖縄のオジイ海人(うみんちゅう)たちのモノクロ写真がカッコイイ。彼女のHPのギャラリーページをぜひ見てほしい。 オジイたちは、働くことと生きることをきれいに重ねている人の、風格と威厳に満ちている。それは顔の美醜や、年収の多寡…

食材のもつ性質と調理のロジック〜NHK「おはようホットモーニング」から 

たとえば、キンピラゴボウを作るなら、材料のゴボウはまな板の上で、ころころと転がしながらけさ切りすると、柔らかくて味のしみた一品ができる。それはゴボウが頭から根っこにかけて繊維質が真っ直ぐに走っているから。 それを繊維質に沿って縦にけさ切りす…

e-bookの英文記事〜日本のソフト産業輸出振興 

今年、経済産業省が中心になって、第1回コンテンツフェスティバル(通称コフェスタ)が東京で開催予定。日本のアニメ、映画、音楽、ゲームなどのソフトコンテンツを、海外に向けて売り出そうという取り組みです。その関係者に取材して書いた記事が英文記事…

ミクシィからのアクセス、なぜか急増中 

先週あたりから、ミクシィからこのブログへのアクセスが急増中だ。1日にミクシィからだけで100件超というのは、ここではかなり多い。だが、ぼくはミクシィに参加していないので、そのターゲットがどの日のものなのかがわからない。うれしいような、でもち…

ぺルー地震についてのお礼とお詫び

ペルーで先週地震が起きたことは、皆さんご存知だと思います。その際は、私たち夫婦の友人の皆さんにご心配いただき、ありがとうございました。震源地からは遠かったとはいえ、首都リマ市内もかなり揺れたようですが、被災することはなかったようです。幸い…

本谷有希子原作「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」〜こんな時代に作品のエッジを立てるとは

予想どおり、エッジのおっ立った物語だった。何より、タイトルが抜群。本谷有希子さんの世界は、無造作なくせに精緻で、エグイくせに悲しげで、パワフルなようでいて刹那的な、まさに今のわたしとあなたが暮らす世間の物語「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ…

猛暑をしのぐ愉しみ茶2種〜心地よくだまされたい生き物 

いくらお茶好きとはいえ、夏の只中で熱いお茶は飲みたくない。 そこで夏はいつも2リットルの水に、麦茶の紙バック2個を入れ、冷蔵庫で冷やして愛飲していた。ところが、今年は食後や仕事の合間に愉しめるお茶があらわれた。キリン生茶の醍醐味だ。この濃く…

佐藤哲郎写真展「紐育流浪」(新宿ニコンサロン)〜突き放す距離感(2) 

art

週刊誌記者として働いていた頃、編集者に「別に雑誌として彼を応援するつもりはない」とよく言われた。つまり、ぼくが取材対象に近寄りすぎて、どうしても応援口調な文章になりがちだと指摘されたのだ。そのクセがなかなか抜けない。 自分が読み手として、最…

佐藤哲郎写真展「紐育流浪」(新宿ニコンサロン・今月27日まで)〜突き放す距離感(1) 

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今のオレにこんな写真は撮れない、では、なぜ撮れないのか―そう自問自答しながら、この写真と20分近く向き合った(佐藤さんの許可をえて撮影させてもらいました)。もちろん、技術的な話ではない。表現対象との距離感だ。新宿ニコンサロンで本日から始まっ…

ジョギング中の脳にアルファ波が出ている?! 

走っている最中、時折、ある考えやキーワード、あるいは俳句や短歌がうかぶ。10日の一句もそうだ。そういう体験が面白くて、たまにここにも書いている。10日も走りながら、コース沿いの桜並木で蝉の声があまりに強烈で驚き、ある瞬間、その情景を空の上…

夜はしる 吐息はねつけ 蝉しぐれ 天からみれば みな塵(ちり)のおと

辺見庸『もの食う人びと』(角川文庫)〜図式をはみ出すリアリティ

もう高齢の韓国人従軍慰安婦経験者をたずねた辺見さんは、元慰安婦たちが川で並んで、朝に昼に、そして夜に日本兵たちが使ったコンドームを洗濯したと聞くと、そのときに月は出ていなかったかとたずねる。 「なかったです。いつも曇っていたですよ。一度に四…

夏の簡単スタミナ料理〜ゴマだれ豚しゃぶサラダ風 

昨日、奥さんから教わって夕食をつくった。簡単で、おいしくて、ボリューム満点の豚しゃぶサラダ風。材料は豚バラスライス350グラム、もやし1袋、水菜1袋。豚バラスライスを6、7センチ大に切り、片栗粉をまぶしてから、煮立ったお湯でしゃぶしゃぶ。…

真夜中のエール

「ファイト」 すれ違いざま、思わず小さな声で彼に声をかけていた。彼の耳に届いたかどうかはわからない。むしろ、そんな曖昧さをこそ担保する声量だった。 先の日曜の夜12時すぎ。近くの公園を30分ほど走ってから、遊歩道で整理体操前のウォーキングし…

『日経ビジネス』の表紙を、安倍首相と元ニ―トが飾る時代 

定期購読している雑誌に、自分の知り合いが載っているというのも奇妙なもんだ。一瞬、絶句しちゃったよ。しかも安倍首相との”変則”2ショット。今週号「日経ビジネス」の特集タイトルは「王子とニ―ト 若者を浪費する日本社会」。しかも合併号の特集だ。表紙…

大西暢夫監督『水になった村』ロードショー開始〜「便利」の向こう側で起きている出来事 

BOX東中野(JR総武線「東中野」駅徒歩1分)で、本日よりドキュメンタリー映画『水になった村』が上映開始です。15年の歳月をかけて、ダムの下に沈んでしまう村のオジイやオバアを追い続けた労作。この日誌でも(id:rosa41:20070625)で紹介しました。…

NHK阿久悠さん追悼番組〜「地球の男にあきたところよ」の凄み

「壁際に寝返りうって 背中で聴いている やっぱり おまえは出ていくんだな」 沢田研二のヒット曲『勝手にしやがれ』の冒頭の歌詞だが、わずか2行で、その情景と2人の関係が理解できる。男女の別れを歌った曲で、これ以上に鮮やかな書き出しをぼくは知らな…

作家・小田実さん逝去〜それも参議院選挙投票日に、という偶然 

1982年12月7日。太平洋戦争開戦記念日の前日、19歳のぼくは一冊の本を片手にはじめて東京駅に降り立った。それは小田さんの本で、もう題名すら忘れてしまった。たしか日本と世界との関係性や、牛と人とガンジス河と死人が渾然一体とするインドの町…