2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

矢川光則著『海をわたる被爆ピアノ』(講談社)

「あらかわさん、恥ずかしい話ですが、わたしは50歳すぎてからの、この5年間で、すごく成長したと思うとるんですよ」 この言葉にぼくはグッときた。 40代後半の若輩者相手に、恥ずかしい話ですが、という彼の前置きも率直で、カッコよかった。 その矢川…

松久信夫著『出社は月に3日でいい』(東洋経済新報社)

本の「ヘソ」という言葉を時々使う。 その本の核心部分ということ。構成をお手伝いしたぼくにとって、この本の「ヘソ」は第5章、とりわけ最初の「『人間は自分が一番かわいい』がすべての出発点」の項。 喫茶店のカウンターに、松久さんと並んで座ってお話…

緊急プロジェクト◆政策選挙インターネット投票「国民はどんな『政策』を求めているのか」

友人から昨夜おもしろいメールが届いた。 先の参院選挙の各党の公約を、政党名と切り離して並べ、有権者には、まず自分が優先すべきだと考えるテーマを選ばせ、政党名を伏せた各公約から適切だと思われるものを選ばせる、という趣向。政策選挙インターネット…

ぎこちない 梅雨明け空と 百日紅

建築はどこにあるの?7つのインスタレーション(東京国立近代美術館8月8日まで)

art

暗い空間に入ると、その天井の中央に小さくて赤い明かりが6列ほど、長さ5mほどまっすぐに並べられて、その光を落としている。そこに薄いベージュ色の布1枚をもって立つ。50センチと25センチ大の布をはためかせたり、投げ上げたりすると、当然、その…

おじさんの林間学校(2)

うれしい気持ちが、じんわりと全身を駆けめぐった。 終日、汗と泥まみれになったぼくらの田んぼの周りを、無数の蛍が舞っていた。学生時代、ほたる祭りで有名だった長野県の辰野町で見て以来の、蛍の群れだった。 トンボや蛇、オタマジャクシにサワガニ、カ…

〜オジサンの「林間学校」(1)

思い切って、畦道(あぜみち)に寝転がってみた。 仰向けになった視線の先で木々の緑が暗く沈み、青空がより明るく見える。力が抜けると、汗まみれの身体が、そよ風により敏感になるのがおもしろい。 7月10日(土)の午後1時半すぎ。長袖シャツがびっし…