2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

蜃気楼(しんきろう)

ちょうど3カ月ぶりで1時間走った。ゆっくりしたペースだったが、独楽(こま)をイメージして、体幹を軸にして気持ち上体を進行方向に傾けて胸を張り、リズミカルに走りながら、両方の肩甲骨を背骨側へと交互に動かす。肩から力を抜くと、わりとリラックス…

追いつ追われつ

「先月も高知県の小学5年生の男の子が、あの本を読んで手紙をくれたんですよ。本屋さんで見つけてくれたらしくて、今度、広島に研修で行く予定があるので、できればそのときに自分の目で被爆ピアノを見たり、矢川さんにお会いしてみたいですってね」 約1年…

新刊本のお知らせ〜山田昭男著『毎日4時45分に帰る人がやっている つまらない「常識」59の捨て方』

創業以来49年間、売上目標を立てたことがない。 この本のプロローグはそこから始まります。前例踏襲、横並び、あるいは<報告・連絡・相談>による管理主義といった日本企業の「常識」にことごとく逆行する一方、年功序列で終身雇用制度は守ることで、その…

口角の上がる夏

病院の正面玄関を出ると、昼下がりの強い日差しと、むっとする暑さに全身をつつまれた。だが少しもひるまず、むしろ、もっと来やがれという気持ちだった。「そろそろ、軽いジョギングぐらいなら始めてもいいでしょう」整形外科外来の30代前半の担当医にそ…

空(そら)から空(くう)へ 〜宮崎駿監督『風立ちぬ』

少年時代の主人公が夢の中で一人滑空するときの疾風や、避暑地で紙ヒコーキが戯れる気まぐれな夏風(それが代弁する恋模様までふくめて)、あるいは、試作戦闘機が墜落する際にまとう烈風まで――2時間近くの作品にはさまざまな風が吹いている。 それぞれがス…