2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「どうすればいいですか?」ってどうよ?

「どうすれば、○○になれますか?」 「○○になりたいなら、どういう方法が一番早いですか」 そういう質問を平気でする人たちがいる。 さまざまな分野で活躍している人がゲストの、テレビの公開トーク番組などを観てるとかならずいる。たとえグーグルやヤフーで…

足が遅く体力のない犬

うちの近所から神田川までウォーキングで出て、そこからランニング姿で走った。日曜の昼下がり、花見シーズンでもないから人通りは少ない。予想外にアップダウンもあり、10分も走ると足が張った。ちょうど川も道路でさえぎられたので、ウォーキングに切り…

鷲田清一『「待つ」ということ』(角川選書)〜待つことの放棄が<待つ>の最後のかたちとは?

待たなくてよい社会になった。待つことができない社会になった―そんなキャッチフレーズにグッときた。本に呼ばれた気がしたらドンピシャだった。北海道から帰ってきたこのタイミングで、出会うべくして出会えた。 労働の現在を分析する仕事をしていたとき、…

利休はなぜ四畳半から二畳を求めたのか

ひさびさのワタリウム美術館「庭園倶楽部」。前回は福岡取材で欠席した。今回のテ―マは「茶の空間」。 お茶は最初、「茶寄合い」という愛好者の集いだったらしい。それが「闘茶(とうちゃ。大人数で茶の産地と銘柄を当てる利き茶クイズ)から、千利休の登場…

歌舞伎界の人間国宝へのインタビュー記事掲載

以前、ここで書いた人間国宝へのインタビュー記事が掲載されました。博報堂発行の月刊誌『広告』12月号P26・27。特集「アートの力、デザインの力」の中のひとつ。歌舞伎の四代目中村雀右衛門(じゃくえもん)さんについての記事です。テ―マは「歌舞伎…

「にいちゃん」と呼ばれて

たまに思いがけないことがある。 「にいちゃん、速いなぁ。こっちは自転車こいでるのに、追いつかんわ」 幹線道路ぞいをほっちらえっちら走っていたら、突然、声をかけられた。午後6時すぎだ。さっき抜かしたはずの自転車に乗ったオジサンらしかった。 「あ…

男の気まぐれ料理修業「サンマの梅干煮」〜手軽で美味しい一品

料理ができる男はモテるらしいんで、奥さんから簡単な料理を習うことにした。 まずは、旬のサンマを手軽に調理できて、保存もきく一品。この時期、ぼくの好きな料理のひとつだ。近所のス―パ―ではやくも一尾78円のサンマを3尾購入。まずはハラビレの約2セ…

頭がはれてる感じ

230ページの原稿をようやく書き上げた。「虐待」をテ―マにしたゴースト本なのだけれど、まるでパソコンがフリーズするみたいに睡魔が襲ってきた。今、血液が集まりすぎてて確実に脳が1・3倍くらいに膨れてるな、オレというときもあった。スゲェ体力いる…

甲本ヒロトの言葉

FMで甲本ヒロトと水道橋博士が対談していた。甲本の次の言葉にしびれた。 ストーンズなんて、はっきし言ってそんな上手くないわけ。レベルはもう高校生レベルだと思う。東京ドームのステージに上がってくる表情も、演奏レベルもさ。でもあんだけ金持って、歴…

石田徹也遺作集〜はや二ヵ月、まるで言葉が追いつかない

石田徹也遺作集作者: 石田徹也出版社/メーカー: 求龍堂発売日: 2006/05/01メディア: 大型本購入: 6人 クリック: 134回この商品を含むブログ (100件) を見る 買ってからはや二ヵ月になる。おりにつけ何度もめくっているのだけれど、まるで言葉が追いつかない…

宇多田ヒカル『ULTRA BLUE』〜見慣れた日常に詩情を打ち立てられる彼女のカッコよさ

CD

この人の歌の転調の仕方ってすごい。もう海辺に打ち寄せる波が逆巻いたり、ぶつかり合ったり、跳ねたり、飛び散ったりするみたいに、彼女は歌う。今回のアルバムは、とりわけ旋律をはみ出すような彼女の歌声が耳に残る。 十時のお笑い番組 仕事の疲れ話して…

溝口健二『山椒大夫』〜日本のヴィスコンティか!?

NHK−BSの溝口週間中に録りためていたビデオの中から、『山椒大夫』を見た。グッとはこなかったけど、モノクロの陰影を、成瀬巳喜男とは違った意味でうまく使う監督さんだと思う。あとは、二人が対話する場面で一人には背中を向けさせて、観客がその表情や思…

ジェフリー・S・ヤング、ウィリアム・L・サイモン『iCON(偶像復活)スィーブ・ジョブズ』〜獰猛な魂の荒くれた轍(わだち)

面白かった。すんごい隙間だらけの読書だったが、読み始めるといつもスーッと入っていけるのは、この本のもつ強力なパワーだ。共同執筆で、他の取材スタッフとのチ―ムワ―クが産み落とした作品らしく、100人は裕に超える取材で集めた事実が巧みに構成され…

一目惚れダリア

なにげなく通り過ぎようとした花屋の前で足が止まる。夜道の店先のダリアの滴る赤に釘付けになった。思わず店の中に入っていくと、さらに弾けそうに真っ赤な唐辛子の実も目に入った。決まった。半年ちかくぶりで無性に活けてみたくなった。あんまり赤のよう…

今、働くということ

先週、札幌へと向う特急電車の車窓を眺めながら、ぼくはとても高揚していた。 右も左もわからない場所に飛び込み、慣れない仕事に悪戦苦闘しながら、懸命に働いた。半分ぐらい年下の職人さんを「さん」付けで呼んで、言われた仕事を卒なく片付けることに全力…

宮崎吾郎『ゲド戦記』〜少々小ぶりで、リアリティに欠ける

先日まで修行かつ取材していた牧場から、19歳の男の子が上京。うちに泊まってもらい、六本木ヒルズ見物と映画鑑賞。彼がアニメ好きなので、毀誉褒貶の『ゲド戦記』を観る。かなり時期外れなんだけどさ。ニ―トや引きこもりの増加を踏まえた主人公設定(心の…

日米同盟強化が日米関係の空洞化を早める、という視点

ミサイルが発射されたといえば大騒ぎで、今度は核実験が行われたといって大騒ぎ。新聞からワイドショーから、どれもこれもパブロフの犬みたいだ。 少し古いのだけれど、田中宇さんの今年7月11日付けの指摘が、今回の騒動にも当てはまる気がする。要するに…

共に働くことの意味

思いがけず、すてきな言葉に出会う。 たしか、それは早朝6時半頃だった。5時半から始めた牛の餌の準備を終えて、搾乳をおえた牛たちがそれぞれの場所で餌をもぐもぐと頬張っていた。 「新しい人と仕事すると勉強になります」 19歳の研修生がふいに言う。…

牛ってヤツは

牛ってヤツは人間臭い。この写真みたいに、隣のヤツがふっと餌を食べるのを休んでる隙に、ちゃっかり首を伸ばして横取りするヤツがいる。それをボーッと放置してるヤツとか。好きな飼料を優先して、ニンジンをきれいに後回しにするヤツ。なかなか個別の餌場…

北海道取材旅行中

先月から更新できませんでした。別に失踪したわけではありません。10月1日より、北海道のとある牧場に来ています。その前は他の仕事に追われてました。こちらに来てからも、あれこれ慣れず、バタバタしてました。とりあえず、10日夜に帰京予定。それま…