2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

NHK総合『一期一会 キミにききたい』〜対話なき時代の「対話」番組 

TV

偶然にチャンネルを合わせてから、気がついたら、『一期一会』を毎週観るようになっていた。たとえば、映画監督志望と会社員、あるいは人生に踏み出しかねているニ―トと牧場勤務。まるで生活環境の違う者同士が出会い、相互の職場を訪れて対話を重ねながら、…

「年金問題」取材後記〜表面だけを掬ってバチャバチャやるだけの報道 

「年金問題」について3人目の駒村さんの原稿が、「日経BP-net」にアップされた。今回は取材の度に新たな発見があり、年金問題はとても迷宮めいていた。が、取材してみて、新聞やテレビ報道ではまるで知らなかったことが次々と出てきた。個人的には面白か…

大かまど飯「寅福」青山店〜佐藤さんとひさびさに再会 

先日紹介したカメラマンの佐藤哲郎さんと、青山で昼食。ひさしぶりに釜炊きのおいしいご飯が食べたくて、寅福青山店へ誘った。ここは昼時は混むので、11時半すぎに入店。ぼくはハンバーグ定食、佐藤さんはメンチカツ定食。当日のお惣菜は、きんぴらごぼうと…

なぜかゲイカップルな火曜日 

あのなぁ、たぶん、あのお姉さん、俺たちのこと、ゲイカップルやと思ってたわ。友人と2人、お揃いの銀色ママチャリで五反田駅近くの疾走しながら、その友人が言う。 フフフフフッ、たしかに平日の昼下がり、普段着の野郎2人でチーズケーキとパンナコッタに…

大西暢夫監督ドキュメンタリー映画「水になった村」〜「エコ」だ「ロハス」だと言う前に

ダムという言葉をきいて、ぼくがまず連想するのは田中前長野県知事の「脱ダム宣言」くらいか。それぐらい自分からは遠い言葉になっている。しかし東京や大阪などの大都市には、かならずそこで消費される水を貯めるダムがつながっていて、その多くが山間部の…

世田谷・砧公園約17キロラン〜両手いっぱいの青空からの遠近法 

Run

先日、世田谷美術館を訪れたとき、砧公園に約1.7キロのサイクリングコースがあり、ウォーキングやジョギングしている人もいることを、実際に1周歩いてみて確認していた。日差しが当るのは30mもなくて、あとはひたすら森の中を走るコースだ。福岡の大濠公…

築地・虎杖(いたどり)裏店〜脂ののった金目鯛と、やっぱりカレーうどん 

友人とひさびさに再会。築地・虎杖裏店に出かけた。海鮮ひつまぶしも、京野菜のおばんざいもなかったが、この日は何と言っても金目鯛の刺身。煮魚として食べることが多いから、あんなに脂がのっている金目は初めてで感激した。それと焼き芋焼酎の「やきいも…

祝!佐藤哲郎写真展『紐育流浪』(8月14日〜27日・新宿ニコンサロン) 

art

ニコンサロンが、日本初の民間写真ギャラリーだというのは知っていた。が、写真家の土田ヒロミや写真評論家の伊藤俊治ら選考委員の目にかなった人だけが、プロ・アマを問わず作品を展示できる場所だというのは知らなかった。友人のカメラマン、佐藤さんのニ…

羽田澄子監督『終わりよければすべてよし』〜死ぬ権利ということ 

映画の中に出てくる2人の女性が、印象深かった。真っ白なシャツに、真っ赤なブラウスを羽織った60代相当のスウェーデン女性はとても凛としていた。「昨日は自宅に戻って、できる範囲で家事をしてきたわ。その代わり、今日はこの緩和ケアでゆっくりした時…

3周遅れ!?の年金問題取材で見えてきたこと 

残りものには福がある、と単純に喜んでいいんだろうか。 マスコミ各社がこぞって、年金問題についての報道を繰り広げている。ただ、どうも違和感をおぼえた。社保庁バッシングと責任者探しばかりに偏向している気がしたからだ。あるいは、「国民はこんなに怒…

「青山二郎の眼」展(世田谷美術館)〜「モダン」と向き合う 

art

稀代の審美眼と呼ばれた青山二郎の眼になんて、ついていけるわけがない。小林秀雄をして「ぼくたちは秀才だが、あいつだけは天才だ」と言わしめた男だ。それでも、その眼がどんな骨董を見て感応してきたのかに触れるだけでもいい。そう思って、世田谷美術館…

石下理栄写真展『花空の裏庭』(北青山「DAZZLE」)〜腐臭を放つ花々の輝き  

art

重篤患者ばかりを担当するクリティカルケアと呼ばれる看護士がいる。以前、テレビで観た彼女は、まず患者と対面すると相手の手を握る。その理由を問われた際の、彼女の言葉がいまも耳に残っている。 「パワーをもらうんです」 えっ?とぼくは思った。ベッド…

「もっともっと」時代が終わらない 

介護のコムスン、英会話のノヴァと、企業不祥事が相次いでいる。 どちらも顧客不在の、身勝手な儲け至上主義の破綻という構造も似ている。テレビなどの広告を活用して、市場シェアの過半数を占めている点までソックリ。かつて隆盛を誇った消費者金融も、同じ…

野茂英雄がメジャーでの登板時、佐野さんの曲を流していたとはね

「You tube」で佐野元春と入力すると、「2000年のイノセント」と題するテレビ番組の録画がヒットした。メジャー時代の野茂英雄、吉井勇人両投手と、佐野さんの対談番組。近鉄時代の野茂のピッチングを観た佐野さんが「彼には会っておかないと」と自ら出…

グリーンリボンランニングフェスティバルへのお誘い 

Run

「元春レディオ・ショ〜♪」 なつかしいジングルが耳に心地いい。佐野さんが、NHK-FM「サウンドストリート」でひさびさに喋っている。嬉しい。新しいアルバム「coyote」のリリースが明日らしい。今年は一度ライブに行ってみたいな。50歳をこえてなお、若い…

桑田真澄39歳、ヤンキース戦でメジャーデビュー〜何の変哲もない言葉の行間 

ブラウン管を見ながら、なんかグッときたなぁ。ブルペンから18番の背中が揺れながらマウンドへ向かう姿に、ぼくの心も静かに共振していた。39歳のメジャー挑戦で、なおかつオープン戦で大怪我までして、地道なリハビリを経て実現した登板。誰にでも立て…

毛穴をひらく からだをひらく 心をひらく

遅くおきて朝昼兼用の食事をとる前に、渋る奥さんを誘ってウォーキングに出る。遊歩道には、色とりどりの紫陽花が咲き誇っていてたのしい。近づく夏の暑苦しさを、束の間忘れさせてくれるような涼しげな佇まい。涼しい風と呼応する小さな滝めいても見える。 …

矢野誠一『志ん生の右手―落語は物語を捨てられるか』〜細部と全体像のバランス

タイトルにやられた。文句なしにうまい。 「物語を捨てた落語に残るもの」とは何か。それは生身の演じ手であり、その語り口(質感とかテクスチャーと呼ばれるもの)でしかない。下手の横好きながら、書き物商売のぼくもそれは喉から手が出るほど知りたい。 …

鬼塚忠著『Little DJ』〜1日で250冊売れたらしい! 

出版エージェントの鬼塚さんの小説が、品川ブックガーデン(たぶん、駅構内の本屋?)で売れてるらしい。店長が惚れて、こんなディスプレイまでされたせいか、1日最高250冊売れたとか。写真まで添付してきたよ。すごいわ、こりゃ。書き手の熱が、売り手…

1日200通の「命綱」 

多いときは1日約200通もメールを出す、という女子高校生の話が新聞に載っていた。彼女には「頻繁にメールする子は友だち関係が幅広い」というイメージがあるという。その反面、同級生からのメールへの返信が遅れると、仲間外れになるんじゃないかと焦る…

Netvibesは使えるか 

net

テキストや画像や映像などの各種情報ポータルを、ひとつの画面に自分が使いやすいように集約できる「Netvibes」。よく見るテキストサイトは限られているから、自分のブログもふくめて、ひとつの画面に集約するのは、それなりに便利かもしれない。 グーグルア…

インド料理「ボビさん」(新中野)〜人生で一番美味しいナン 

韓国で暮らしていた頃、ひとつの鉄則をつかんだ。「キムチが美味しい店は、他の料理もうまい」というヤツだ。キムチは韓国料理の基本であり、ソウルフード。しかも、それなりの原材料を使い、手間をかけなければ美味しくならない。うまいキムチには原価をケ…

廣末哲万監督『14歳』〜精緻な顕微鏡で映し出される14歳たちの鬱屈 

想像力を痛いほど刺激してくれる映画に出会えた幸福を、まずは喜びたい。映画『14歳』のもつ静謐さが、登場人物たちの短い言葉や暴力的な場面を禍々(まがまが)しく研ぎ澄ましている。実際にぼくは上映中に2度ほど、顔をしかめ身体をのけぞらせた。 日々…