2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

イサム・ノグチ展(2)〜円く削ることでより強固に結びつける

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いろんなところで、書かれていることだが、ノグチはこの黒花崗岩に「大地」もしくは「地球」という惑星をダブらせている。石のもつ厚みは地層に似ていて、膨大な時間に培われたものだから。しかもこの石は、通常灰色で表面は凸凹があるが、磨けばじつに味わ…

イサム・ノグチ展(都現代美術館)(1)〜技巧から素材へ返ること

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今週末で終わる「イサム・ノグチ」展に出かけた。点数はあまり多くなかったが、個人的にはいろいろ考えること、教えられることもあって良かった。右上の本の愛読者としても、昨年冬、取材のついでに札幌のモエレ沼公園を吹雪の中を出かけて、休園で入れなか…

アート・ペッパー『ミーツ・ザ・リズムセクション』

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最近、CS放送の音楽100チャンネルで気に入って、MDに落してよく聴いているのが、この一枚。かなりのへビィ・ローテーションだ。とりわけ2曲目の「レッド・ペッパーブルース」がカッコイイ。音と音の隙間でこそ聴かせるっていう感じがいい。文章でい…

「後ろ盾じゃんけん」の視点から国際政治を見る?!

小泉がブッシュを京都に招いて、「忠犬」として尻尾を振りつつ、中国や韓国に靖国問題で強気を崩さない態度って、どうよ。 その小泉とは違った後ろ盾で、ブッシュに喧嘩を仕掛けている男について、田中宇さんが書いている。その視点は、「石油で世界を多角化…

気分はもう「高橋」

高橋尚子とともに、おれも東京の街を駆け抜けた。もちろん、時間帯とコースはまるで違う。距離は全部で2・5キロぐらいで、しかも途中ウォーキング付きで、うちの近所周辺の遊歩道・・・。たとえスピードは遅くても、イワシ雲の下を走って汗をかくのは爽快…

灯台下暗し

好きなことを仕事にしているつもりなのに、恥ずかしながら、時々忘れる。頭の中で「仕事」という言葉の方がふくらんでしまうから。 NHK金曜夜の「にんげんドキュメント」を観ていて、それに気づかされた。三重県の高校で、家庭でできるシーフード料理の全…

豊島区南長崎「鰻家」で鰻食べ尽くしの夜

ペルーから親戚のS氏来日で、S氏の酒友K氏ごひいきの「鰻家」(西武池袋線・東長崎駅近く)へ。 ここはまず、肝焼きから出てくる。この濃厚な味は絶品。さらに今回は、レバーの串焼き、頭(かしら)の南蛮漬け風(右上写真)などが初お目見え。上品な味の…

フジモリ・元ペルー大統領の今後

まるで、映画になりそうな展開だ。日本亡命後、現トレド政権から数々の「罪」に問われた日系人元大統領が、隣国チリにチャーター機で戻った。 だいたい、日本からどうやって、チャーター機で、メキシコ経由でチリに入れたのか?日本政府の密かな支援を想像さ…

早生みかんに操(みさお)を立てる男

11月は温かいお茶と、みかんがグンと美味しくなる季節だ。ぼくにとっても、リーズナブルに幸福になれる時期ということになる。とりわけ、みかんは子どもの頃からの大好物で、ヨダレかけをべちゃべちゃにしながら、みかんを頬張っているご幼少の頃のモノク…

1000円のウォーム・ビズ〜マイクロフリースパンツはスグレモノ

奥さんに、1000円のユニクロのフリースパンツ(紺色)を買ってもらった。まぁ、フリースのパンツ版なんだけど、これが意外と温かい。商品名はマイクロフリースパンツというらしい。フリース上着は2着持っていて、冬場は部屋着として重宝していたのだけ…

「市中の隠」を遊ぶ〜ワタリウム美術館「庭園倶楽部」最終回

「市中の隠」という、いい言葉を教わった。室町時代に貴族の趣味であった茶道を、千利休が一般にも開放する中で、この言葉を広めたとされる。平たく言うと、「都市の日常の只中でこそ、隠居気分を満喫する遊び心」。昔、隠居は世俗を離れることの象徴で、山…

頭と心と身体をバランス良く使って

北海道の養豚場で2週間ほど働いてきたAさん。彼女と話していて、とても印象的だった言葉がある。 「しっかり身体使って、汗かきながら働いてると、ポッポッといいアイデアが浮かんできたんです。東京にいると、なかなか味わえない体験でした。頭と身体と心…

岡本太郎の「太陽の塔」のモチーフは原爆!?―石井竜也の卓見

NHK教育の番組で、岡本太郎について石井竜也が面白いことを言っていた。(来週も続くらしい) あの「人類の進歩と調和のシンボル」として知られる岡本の「太陽の塔」は、原爆をモチーフにして、それを乗り越えていく人類の英知を表現したのではないかと。 岡…

NHK教育『夜回り先生・永谷修のメッセージ2』〜圧倒的なリアリティの強度を突きつけられて

ちょうど去年2月、ぼくの初めて本が書店に並んだとき、よく隣に並べられていたの水谷修さんの『夜回り先生』(サンクチュアリ出版)だった。ご存知の人も多いと思うが、水谷さんの本は、その後ベストセラーになった。 その理由が昨日、彼の電話相談や学校な…

北野武の映画術〜4枚の写真でストーリーを作る

テレビで、北野武がばらばらに撮ったスナップ写真を、4枚並べてストーリーを作ってみせていた。一見、脈絡のない4枚が、意外なストーリーに束ねられていくのを観ながら、そこに彼の映画の文法を見た気がした。 つまり、その4枚の物語がきちんと整合性がと…

深夜ラジオファン

どうにか原稿を書き終えて、リリー・フランキーの『J−WAVE』らしくない『ナイト・ストーリーズ』を、カップ酒を飲みながら聴いている。この『ナイト・ストーリーズ』は火曜日のクリス・ケプラーもいい。仕事しながら聴くのにいいし、選曲もいかしてる。…

行定勲監督『春の雪』〜李屏賓(リー・ピンビン)の映像に心惹かれた

「ああ〜あ、あ〜ああ、ああ〜あ、あ〜ああ、ああああああ・・・」 そんなサビの、宇多田ヒカルのエンディング曲について、賛否両論あるようだけど、ぼくはこの悲恋物語をきちんと受け止めていてイイと思う。映画以上に、堕ちていく男と女の不条理劇を、歌詞…