岡本太郎の「太陽の塔」のモチーフは原爆!?―石井竜也の卓見

対談集 岡本太郎発言! 
 NHK教育番組で、岡本太郎について石井竜也が面白いことを言っていた。(来週も続くらしい)
 あの「人類の進歩と調和のシンボル」として知られる岡本の「太陽の塔」は、原爆をモチーフにして、それを乗り越えていく人類の英知を表現したのではないかと。
 岡本がメキシコで製作した「明日の神話」の大壁画が発見され、日本での修復が始まったが、どうやらこの壁画の製作時期が「太陽の塔」と同時期らしい。しかも、「明日の神話」に描かれた塔が「太陽の塔」と酷似しているんだ、ほんと。
 しかも「明日の神話」が、原爆らしき絵を背景にしていることから、石井は原爆がモチーフだと断言していた。テレビでは原爆のきのこ雲の映像が流れたけど、発光する感じと、煙の広がり方が、丹下健三製作の建築物を突き抜けるように建設された当時の「太陽の塔」ととても似ていた。
 石井が指摘するとおり、日本の世界デビューと言っても過言ではない大阪万博で、原爆をモチーフにした巨大建造物を、「人類の進歩と調和」とソフィストケイトしながら、莫大な追加予算を計上してまでオッ建てたとしたら、それはじつに岡本らしい正気の狂気だ。
 で岡本といえば、この『対談集 岡本太郎 発言!』がおススメです。噛めば噛むほど味が出る一冊!