2008-01-01から1年間の記事一覧

挑戦(ロックンロール)〜ジュリー祭り in 東京ドーム

野球なら、ぼくは王より長嶋が好きだった。 たしか、王選手は3割30本塁打をクリアして現役を引退したはずだ。一方の長嶋さんの最後のシーズン(1974年)は、打率2割4分4厘で、本塁打は15本(ウィキベディア調べ)。カーブを投げられると、面白い…

マルタ・デ・ラ・ビジャ公演(江東区区民センター)〜おつかれさま

一生懸命な顔つきは、誰でもかっこいい。 奥さんのそんな表情を、舞台下から見るのも貴重。なにかしら、目を逸らしたくなるような照れ臭さ、あるいは、父兄参観の父親の不安めいたドキドキ感。ガンバレヨとひと声かけたくなる衝動とか、こういう踊りを繰り返…

神田山陽プレ独演会(東中野・ポレポレ坐)

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仕事がひと段落したので(年内のではなく直近の)、冷たい雨の中、前から一度生で聴いてみたかった、講談師・神田山陽さんのプレ独演会へ。こういうのにプラッと出かけられるのも、東京暮らしの利点。しかも30人強ほどの出前ライブ風だった。 普段着の山陽…

ピンチの後にチャンスあり〜クラブW杯決勝

勝負の綾は繊細だ。 ビディッチの肘撃ち一発退場で、10人での戦いを強いられて守勢に回ったマンU。1人多い状況で攻めだした堅守のキト。潮目が変わってから、ゲームが動く。前半、何本ものシュートを打ちながら、キトの守護神に阻まれていたマンUは、ロナ…

石田徹也「僕たちの自画像」展(4)(練馬区立美術館12月28日まで)

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石田の自画像は、一風変わっている。 顔から頭にかけて顕微鏡になって机に座っていたり、牛丼屋でマシンガンの銃口から食べ物を口に注がれていたり、四つん這いになった背中に穴が空いて洗面台になっていて、ハンドソープや錠剤などの日用品が乱雑に置かれて…

石田徹也『僕たちの自画像』展(3)〜宙ぶらりんの分裂症(練馬区立美術館)

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今回の展覧会で、もっとも印象に残ったのは「屋上へ逃げる人」と題する作品。 ビルの屋上の縁(へり)で、手すりの付いた8段ほどの階段を、まるで着ぐるみのように着た男がうずくまっている。左手で赤い非常ボタンを押していて、その背後には「Secon」と某…

石田徹也「僕たちの自画像」(2)(練馬区立美術館)

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展覧会入口にある石田の絵と向かい合ったとき、ハッとした。 それは「飛べなくなった人」という表題がつけられたもので、ぼくが持っている彼の画集の表紙絵でもある(上写真と同じ)。だから、特に驚くようなことでもない。それでもぼくが驚いたのは、ひとつ…

石田徹也〜「僕たちの自画像」展(1)(練馬区立美術館12月28日まで)

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ちょっと、イラついた。 バス停に行くと、目当ての場所に行くバスが、1時間に2本しかない。しかも、数分前に出たばかりで、次のバスまでには30分以上もある。 どこか近くまで行くバスがないかと、近くのバス乗り場をうろうろしたが、経由するものはなか…

アンビアンス大平VSミシュラン料理人(第2回)

前日に続いて、大平さんからのメールニュースを、本人の了解を得て転載します。最後に、中目黒「アンビアンス」のお節料理のお知らせがあります。 それからデザート、この戦いのために、私、事前にかなりハイレベルな料理を時間をかけて仕込んでいました。デ…

アンビアンス大平VSミシュラン料理人の巻(第1回)

中目黒のベルギー・フレンチ「アンビアンス」の大平シェフから、少し前に、メールニュースが届いていました。少し遅くなりましたが、本人の了解をとって、2回に分けて紹介します。 今朝、今年のミシュラン星付きレストランが発表されたのをテレビで見ました…

行間の強度〜山田詠美『海の庭』(『風味絶佳』文春文庫) 

何気なく読みすごしてしまう場面にこそ、小説の強度はひそんでいる。 たとえば山田詠美の短編集『風味絶佳』で、ぼくの一番好きな『海の庭』の、導入部のこんな部分。大雑把に説明すると、主人公の大学生・日菜子の両親が離婚。日菜子と母親が住みなれたマン…

最良の教師

まさに苦笑いだった。取材から自宅に戻り、熱いお茶を1杯飲んで身体を温めてから、ひさしぶりに補強運動をやった。ところが、まるでできなかった。とりわけ背筋運動が駄目。先月末から結婚式、地方出張とバタバタしていてその間、ジョギングは2回こなした…

形見分けの月

「オレの、オレの話を聞けぇぇ〜♪」 友人Mが腰をくねらせながら、クレイジーケンバンドを歌い、店内の笑いをさらう。「歌う」より、「がなる」といった方が近い。亡き友人の父親も、「ずいぶん、やるねぇ」とニヤニヤしながら水割りを口に運ぶ。 横須賀にあ…

人を旅すること

2泊3日で、東海地方に出張してきた。 体力的にはきつかったが、仕事だけにとどまらず、45歳の男としても、いくつか考えさせられた濃い旅だった。 街ですれ違えば、何ら気を留めることなく、通り過ぎてしまうだろう人たち。 だが、取材者として向き合い、…

明治記念館潜入記〜貫禄じゅうぶんな新婦とボクちゃん新郎

大学時代の友人の結婚式で、明治記念館に初めて足を踏み入れた。これで、大学の友人関連は全員片付いたことになる。めでたしめでたし。 しかし、予想に反して、記念館はえらい賑わいぶりだった。式の参加者はもちろん、打ち合わせスペースもカップルで満席。…

{視点]宮崎駿in 外国特派員協会「悪人を倒せば幸せになるという映画はつくらない」

表題のコメントの後、宮崎さんはこう続けている。外国特派員協会での講演後の、記者とのやりとりだ。 「あらゆる問題は自分の内面や、自分の属する社会や家族の中にある」ということを、いつも踏まえて映画をつくらなければいけないと思っている。 とても読…

「アトリエ・シエスタ」チャンネル〜ほんわかしてください

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ぎすぎす、さむさむな世の中を、ほんわかさせる。ちょっとブラックな、「アトリエ・シエスタ」動画チャンネルに、「デス・とろいや〜」見参!また、「アトリエ・シエスタ」にも、作品多数あります。ご自由になごんでください。

青空と銀杏と肩甲骨

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澄み切った青空と、黄色い火柱みたいに風にゆれる銀杏(いちょう)。その鮮烈な対比に胸がおどった。近所に買物に行く途中、奥さんと少し遠回りして公園まで足を向けると、樹齢数百年を思わせるプラタナスの大樹も、その大きな葉をかなり散らしていた。 先週…

岡本太郎『明日の神話』(京王井の頭線「渋谷駅」ビル内)

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先日、渋谷に出たついでに、最近設置された『明日の神話』を観てきた。絵の前のここかしこで、携帯で撮影している人たちがいた。たしかに、あのスケールはすごい。でもね、どう観たって、この絵は散漫でしょう。皆さんはどう思われましたか? 以前、川崎市の…

北野武監督『アキレスと亀』〜何気ない一言で最後に救う手法 

目もくらむような風呂敷の包み方だった。 死に向かって生きる覚悟。そんな剥き出しの孤独と虚無感を見すえる北野映画の志は、この作品でもなんら変わっていない。一方で、世界的映画監督に登りつめた今も、それが紙一重の結果にすぎないことを、誰よりも北野…

高橋玄監督『ポチの告白』(来年1月24日公開予定)

「一人じゃ、何もできねぇんだよぉ〜!」 うら寂しい独房で、元警察官の独白がこだまする。 表題の「ポチ」とは警察官のことだが、主人公の最後の雄叫びは、わたしたちの社会のあらゆる組織に生息する「ポチ」たちの心に響くだろう。 数々の日本の警察犯罪事…

強迫観念が社会の原動力

宗教人類学者の植嶋啓司さんの「強迫観念が社会の原動力」という視点が、おもしろい。「日経ビジネス・エクスプレス」の「ストレス革命」特集の「何も選ばない生き方のすすめ」のインタヴュー。それに気づくと、たしかに肩の力は少しぬける気がする。 オブセ…

駄目なやつほど、ホメられるとうれしい

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「アキレス腱がとてもやわらかいですねぇ」 「背筋がずいぶんつきましたねぇ」 「走っているせいか、肩甲骨の筋肉がやわらかいですねぇ」 ・・・・・・どんなヘボ・ランナーでも、ホメられるとうれしい。 しかも、両方の太腿や脛(すね)、腰骨の上などを触…

3度目の正直ならず(湘南国際マラソン)

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第3回湘南国際マラソン、4時間21分強でした。 3度目の正直はなりませんでした。目をそむけたくなる現実ですが、向き合うしかありません。ぼくの努力の方向性が、どこかトンチンカンなのでしょう。やはり、30キロ手前から失速しました。 あえて収穫を…

人を惹きつける会社

日経BPnetで、「人を惹きつける会社」という連載を始めています。 ご興味がおありの方は、特集「人をひきつける会社」をクリックしてください。2社とも中小企業ですが、それぞれ経営者がとても魅力的です。 感想がおありの方は、コメント欄に書き込んでいた…

言葉の磨きかた

「人生の役割をきちんと知って、生きてる人間は美しいのよ」 今日、取材相手から聞いた言葉。ファッション評論家のピーコさんから、彼女が言われたらしい。その「美しい」の使い方が斬新で、一瞬、ぼくも言葉を失ってしまった。心地いい驚きで、仕事冥利につ…

やっぱり、顔は大事

まるで深い川底で長年洗われつづけた、優しい丸みをおびた石のような顔。 今年78歳になる彼の、なんとも愛らしい笑顔と向き合いながら、芋焼酎のお湯割りも手伝ってか、ぼくはうっとりしてしまった。 「まだ息子が亡くなったとは思えないんですよ、ほんと…

江ノ島がぁ見え〜てきたぁ 

なぜか革靴にジャージ姿で走りながら、坂を下ると大きな海原が目の前にひろがる。朝7時すぎ、海岸ぞいに向かって左折すると、小さな島が目に飛び込んできた。 「江ノ島がぁ〜、見え〜てきたぁ〜♪」 とっさにサザンの歌が頭の中でリフレインする。こんなに海…

こんな「いやらしい」は人生初

けっして値段の高い安いではなく、極上の料理に舌鼓をうつ瞬間、まるで全身を幸福感ですっぽりと包まれたような気分になる。まさに谷崎潤一郎賞にふさわしい、山田詠美著『風味絶佳』の「海の庭」を読みながら、なんどもそんな溜息がもれた。小説の至福に身…

「ヒミング2008氷見上庄川天馬船プロジェクト」参加者募集中

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アーティストの中村政人さんから、「ヒミング2008氷見上庄川天馬船プロジェクト」の参加募集中とのメールが届きました。昭和30年代に交通手段だった天馬船の、復活プロジェクト。興味がある方は、上記をクリックしてください。 また、中村さんが代表をつとめ…