2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

道草ナビゲーション〜植草甚一『ジャズの前衛と黒人たち』(晶文社)

すこし肌寒い朝に目覚めて、どっかりとソファーに座り込む。終日の雨模様に、手持ち無沙汰でリビングテーブル前の本を手に取る。先日、打ち合わせからの帰りに自宅最寄り駅を通り過ぎ、二駅先で降りてぶらぶらしていて見つけた、ジャズ評論の故・植草甚一さ…

9月16日(日曜日)付け朝日新聞読書欄掲載の書評

世の中全体が騙し絵っぽくなってきたから、一見非常識そうだったり、絵空事にも見える表現にスポットライトが当たりやすくなっているのだとしたら、今の世の中もまんざら悪くはない。 読みにくい人はデジタル版をご参照ください。

キュウリの棘(とげ)

その実を伸ばしていくキュウリが、これほど無数の棘を伸ばすとは知らなかった。その真偽はわからないが、じゅうぶんに成長するまで外敵から狙われないための自衛策と書かれているブログもあった。だが、朝の水やり時にもいで、すぐボウルにはった水に入れて…

作品をミルフィーユにする第三者の上手い置き方②〜「アラブ・エキスプレス」展

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(撮影可でした) ミルフィーユとはフランス語で「千(ミル)枚の葉っぱ(フィーユ)」を意味する。カスタードにパイ生地を折り重ねていく様を例えたもの。この作品を観たとき、その言葉が思い浮かんだ。左側の家庭内は影絵のような動画で家族の日常が描かれ…

シンプルの強度①〜〜『アラブ・エクスプレス』展(森美術館 10月28日まで)

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(撮影可でした) 両手両膝を路面につけ、二列でぞろぞろと歩道を進む人たちの行列がいきなり目に飛び込んできた。大人の男たちの中に、10歳前後の女の子が周りをきょろきょろしながらもそれを真似て続いている。他方で、通行人たちが物珍しそうに眺めている…

実りの秋へ向かう

お日様と土中の養分と水と、私たちの汗や労力を集めた稲穂がたわわに実ってきた。濃いオレンジ色のコスモスが、一面の稲穂に秋の彩りを加えている。ひさしぶりの田んぼデイズ。 畔や田んぼの中に生い茂った雑草を、草刈り機でひたすら刈り取る。下から上へ、…