田んぼデイズ

玄米日和

約二週間天日干しした稲束を抱きしめるようにして、軽トラに積み込む。乾燥した稲藁の香ばしい匂い、歩く振動で耳元で鳴るかさかさ音に、田んぼの天地返しにみんなで汗した初春の頃を思い返す。汗と吐息と溜め息と笑い声とが詰まった稲束の手重りする感覚に…

実りの秋へ向かう

お日様と土中の養分と水と、私たちの汗や労力を集めた稲穂がたわわに実ってきた。濃いオレンジ色のコスモスが、一面の稲穂に秋の彩りを加えている。ひさしぶりの田んぼデイズ。 畔や田んぼの中に生い茂った雑草を、草刈り機でひたすら刈り取る。下から上へ、…

心に風を通す日(1)〜裸足のひんやりむにゅ感覚

太股からスネにかけて虫にさされるのを覚悟で、短パンと裸足で田んぼに足をいれる。ひんやりした水温と、トロトロ層が適度に堆積した田んぼの、あのむにゅむにゅした感触が足裏にここちいい。猛暑日に水風呂で火照った身体をさますかのように、思わずフーッ…

代掻(しろか)きまでたどりつく

都内に向かう車で、コミックソングの名曲「金太の大冒険」が流れていた。一泊二日の田んぼ作業で疲れた身体に、ふいに笑いを注入してくれた。しかも放送局はNHK-FMで、「コミックソング三昧」特集だった。 ツボイノリオのこの歌を知っている人ならわかると思…

雑草魂

ようやく春めいてきたベランダの観葉植物のひとつの鉢に、どこかから飛んできた雑草の種が勢いよく繁殖し、鑑葉植物そのものがすっかりしおれてしまっていた。 それが植物そのものの寿命なのか、雑草の仕業なのかはわからない。腹いせまじりに、その雑草を引…

畔(あぜ)づくり三昧

雨が降った後の土は重たい。この事実を体感として知っている人はそう多くない。畔づくりをすると、その重さがさらに痛感できる。シャベルで粘度状の土をすくい取り、畔に積み上げる作業がかなり腰にくる。 翌日の腰痛を防ぐには、時おりシャベルを持ち替え、…

立春の日に

地元農家のおばさんたちが、味噌と茹で大豆とゴボウを臼でついて作ってくれた「唐辛子ゴボウ味噌」が美味かった。今年一年、あんまりとんがらないでね、という意味合いがある地元の名産品らしい。 耕作放棄田んぼを借りている千葉県匝瑳市で、毎月第一土曜日…