玄米日和

 約二週間天日干しした稲束を抱きしめるようにして、軽トラに積み込む。乾燥した稲藁の香ばしい匂い、歩く振動で耳元で鳴るかさかさ音に、田んぼの天地返しにみんなで汗した初春の頃を思い返す。汗と吐息と溜め息と笑い声とが詰まった稲束の手重りする感覚に、思わず頬がゆるみ、気持ちが高ぶる。


 他のグループも入り交じりながら、脱穀機の周りで働く。稲束を脱穀に入れていく人、その人に稲を手渡す人、脱穀機から出て来る稲束に米殻が残っていないかを選別する人、その人が捨てた稲束をまとめて、来年の稲刈り時に稲束を結ぶのに使うために、麦わらぼっちを作る人。脱穀機が選り分けた籾殻が袋にたまっていく様子を見て、新たな袋に付け替える人。


 籾殻をブルーシートに広げて、多少線別しながら再度天日干し。その間に各自が昼食をとりながら休憩。その後、水分量を計測して15・5%のグループは、近くの有機農家さんに籾刷りに向かう。そこではじめて玄米になる。
 雑草がやたらと繁殖してしまったために3分の1に激減。それをメンバー6人に配分すると一人当たり約12キロと、3年目で最低の収量となってしまった。それでも黙って握手し合い、メンバー各自の健闘をたたえ合った。みのれーずの皆さん、お疲れ様でした。