2009-01-01から1年間の記事一覧

食育ワークショップVOL3<お菓子たちの甘〜い誘惑>(池袋駅西口「たまにはtsukiでも眺めませんか」)

なつかしい。 大小のガラス製ビーカー各種、プラスチックコップやスポイトなどがテーブルに並んでいる。オーガニック居酒屋「たまつき」にはかなり不似合いな実験モードの夜。 ジュース好きなぼくにもっとも衝撃的だった実験が、「低果汁ジュースを手作りし…

セバスチャン・サルガド写真展『アフリカ』

art

まんじりともせずその一枚と向き合いながら、思い返されたことがある。 今回の展示における子供たちの作品群だ。本物の銃を携えるぼやけた少年兵を背景に、木製のオモチャ銃を所在なげに持つ5歳前後の子どもの老人のような眼差し。どうやってそこに潜りこん…

セバスチャン・サルガド『アフリカ』(都写真美術館、すでに13日で終了済み)

art

最終日13日(日)午前10時の開館10分前に着くと、都写真美術館前にはすでの30人ほどの行例ができていた。開館直前にはぼくの後ろにそれ以上の人が並んでいた。じつは前日、都庁で東京マラソンのボランティア説明会に参加後、同じ場所に来ると1時間…

あのベストセラー『考具』の著者、加藤昌治氏のおススメ20冊(青山ブックセンター本店)

たまに遊んでもらっている某代理店の加藤さんが現在、あの青山ブックセンター本店で、「おススメ20冊」フェアを開催中(12月末まで)。このラインナップのバランスが絶妙っす。古典的名著『高校生のための文章読本』(筑摩書房)や、吉野源三郎『君たち…

東京マラソンボランティア

初マラソンで東京を走った直後から、いつかボランティアをやりたいと思っていた。 もちろん、初マラソンの感動もあるが、それぐらいボランティアの方々の心温まる対応がすばらしかったから。 その機会がやってきた。来春2月の東京マラソンのボランティアに…

城山三郎『粗にして野だが卑ではない』(文春文庫)〜粗でも野でもないが卑しい人たちの時代に

もう読み終えるなぁと思いながらページをめくっていたら、ふいにグッときた。 ○死亡通知を出す必要はない ○こちらは死んでしまったのに、第一線で働いている人がやってくる必要はない。気持ちはもう頂いている。 ○物産や国鉄が社葬にしようと言って来るかも…

かれいの煮付けと牛蒡(ごぼう)の旨味(うまみ)

夕方買い物にでかけて、脂の乗っていそうなヒラメの切り身を買い、広島で買ってきたカキ醤油などで、いそいそと煮汁をつくる。煮魚に欠かせないのが牛蒡。これが事前に7、8分煮ておいて途中から一緒に煮ると、魚に勝るとも劣らぬ旨味を発揮する。 炊き立て…

「人を惹きつける会社」連載〜(株)ドーム

スポーツアパレルブランド「アンダーアーマー」を展開する、(株)ドームの記事が掲載されました。その社名より、ブランド名のほうが有名だと思います。 前編「自前主義という強み」、後編「ノルマのない実力主義の厳しさ」。 どうぞ御笑覧ください。「人生…

NHKドラマ『坂の上の雲』〜観る者の感情をゆらがせる技術

TV

菅野美穂ってこういう役、ハマるよなぁ。そうだよねぇ、うまいよね。 ホントは兄の親友のことが好きなのに、その気持ちは心に秘め、幼馴染みの妹として屈託のないほがらかさで接する。小さな所作や表情の変化で、ちょっとした感情のゆらぎを造形する。そのせ…

約1カ月前に書いた記事で、なぜかランキング1位獲得 f(^^;)

net

編集者さんからメールが来ていた。 およそ1カ月前にぼくが書いた、日経ビジネスアソシエのオンライン版の「高学歴大工」の記事へのアクセスが昨日から急増しているという。見ると、日経BPnet総合アクセスランキング1位(4日夜まで)。今までどんなに頑…

増田美智子著『福田君を殺して何になる』(2)(インシデンツ刊)

より多くのエネルギーを投入するほど、その是非にかかわらず得るものは多い。書き手の一人として、この本を読んで改めて学ばせてもらったことのひとつ。 この著者の取材対象への執拗さは、福田君への面会だけでなく、主にその父親や彼の弁護士、福田君の元獄…

増田美智子著『福田君を殺して何になる―光市母子殺害事件の陥穽』(1)(インシデンツ刊)

ぼくの仕事場には新聞記事が何枚か貼られている。 ちょうどぼくの目の前にあるのは東京新聞11月7日(土)付け29面、秋葉原無差別殺傷事件の犯人が、被害者家族に送った手紙の全文がのった記事。それを読むと、あの犯行直前まで犯人がネットに投稿してい…

❤拙著『レンタルお姉さん』再刊❤

今朝、できたばかりの文庫本がとどいた。単行本とはガラッと違う、クールな装丁。黒と金地の腰巻が装丁全体をキリッと引きしめていて、なおかつタイトルの赤字とのコントラストもきれい。左隅のアウトロー文庫のロゴとの色合いのコラボも、きめ細かい。 ドラ…

佐藤可士和さんの慧眼(けいがん)

まさに今年、いろんなことが急激に変わりましたよね。若い人はすでに出来上がっていた日常を壊していく。車も酒も要らない。貧しくても良いと考える。社会から生活を見るのではなく、生活から社会を見下ろす視点です。 あるニュースレターで目がとまった佐藤…

NHK総合「立花隆 がん 生と死の謎に挑む」(23日夜)

TV

がんの正体は半分自分で、半分エイリアン(外敵)。 膀胱がん手術を経験した立花さんが、がんの最前線を取材した末の結論が興味深い。ちょっと、福岡伸一さんの『生物と無生物のあいだ』を想起させる。 人類が多細胞生物へと進化した過程そのものが、がんの…

四谷 de サルバトーレ&わかばコース

この三連休は、結局、原稿書きで使い切ってしまった。そこで晴天の今日、奥さんへの勤労感謝で、新宿通りの四谷駅近くに新たに開店したサルバトーレでピッツア・ランチ。カプリチョーサとマルゲリータを注文。中目黒のより、気持ち生地が薄い気がしたのだけ…

ちあきなおみ大全集(NHK-BS2)

わずか5分強の歌を聴いただけで、もうビフテキ3枚ぐらい平らげたような満腹感だった。 ちあきさんの「朝日のあたる家」の映像を、画像が少し悪いがまず観てほしい。 これだけでもじゅうぶんに凄まじいのだけれど、今夜放送されたバージョンは、ニューオリ…

川田修著『かばんはハンカチの上に置きなさい』(ダイヤモンド社)

20日付け東京新聞2面に、右の広告が掲載されました。パチパチパチ!日経などではすでに掲載されたようです。無事、7刷りも決まりました。 「単なるトップセールスではなく、人として誇れる自分になれるように生きていきたいと思います。その事に気づかせ…

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』の翌日

TV

いやぁ〜、自分で思っている以上に老けてるし、頭が薄くなってましたよ。そういうと、Fさんは小さな眼をさらに線のように細めてフォッフォッフォッと笑った。全国放送の翌日、それが自らのテレビ映りについての感想だ。なんともわかりやす過ぎる照れかくし。…

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』

健康でいることに越したことはない。 だが、自分ではなかなかコントロールしづらい部分もあるしなぁ〜。 そう思っている方は、本日午後10時からの「仕事の流儀」をご覧ください(ストリーミング映像付き)。健康に対する考え方や、人によっては人生観まで…

ちあきなおみ『伝わりますか』

一方、うちの奥さんが気に入ったのは『伝わりますか』。こちらはもっと哀切な歌。サビの最後の部分をあえて抑える旋律が効果的。チャゲ&飛鳥の飛鳥が、ちあきさんのために作った曲らしい。同じ赤でも、サルビアのようにドロッとした少し怖い紅色か。

ちあきなおみ『黄昏のビギン』

夕食後、何気なくテレビのチャンネルを替えていたら、ちあきなおみが歌っていた。ぐいぐい惹きつけられて押し黙り、ぼくは耳をそばだてていた。演歌、ブルース、ファド、シャンソンなど、どんなジャンルを歌ってもちあきなおみの世界。それは歌謡曲のすごか…

金子光晴『異端 金子光晴エッセイコレクション』ちくま文庫

本との縁(えにし)は恋愛のようだ。 少し前から内田百輭が気になっていた。あの飄々とした文体が、だ。東京駅周辺で打ち合わせがあり、その後、丸の内側のオアゾに立ち寄った。ちくま文庫の内田百輭をどれか買うつもりだった。 パラパラとめくると、いずれ…

2人のランナー(2)

Run

高尾山の18キロトレイルで、荷物を預けるために列に並んでいるとき、ふと後ろを振り向くと、ランニングシャツに雨用のビニールカッパを着た50歳前後の男性がいた。 ぼくがうっかり忘れてきたせいもあって、思わず、準備万端ですねぇと話しかけた。少し雑…

2人のランナー(1)

Run

私も去年、ホノルルマラソンに出たんですよ。 ふいに運転手さんがそう切り出した。先月、広島取材でたまたま乗ったタクシーでのこと。これには前段があって、私たちが東京からやってきたことを知ると、運転手さんは東京マラソンの話題を切り出した。そこで私…

ムッとくる 枯葉香マスク 秋のラン

ゼラニウム

[ケータイメモ] こぞって秋めく近頃なのに ベランダのゼラニウムの橙 (だいだい)は 春や夏と同じように独り赤めく

ひとっ走りした後 遊歩道の白熱灯を見てふと気づく 今日の満月は宇宙が照らしてる

心で書く文章 頭で書く文章(広島にて)

あるピアノに寄せられた感想文を読んだ。 くわしいことは書けないが、小学生1年生から6年生、さらには中学生と保護者までの文章があった。 一番すごかったのは小学校1年生のもので、自分がピアノの立場になって、ある事件を懸命に想像し、その悲劇の痛み…

なんともたよりなき健康観(山口にて)

動かない左足を引きずるように去っていく。 70代の彼女の背中を見ながら、ぼくは圧倒されていた。 「ええ、脳梗塞になって、ほんとによかったわ」 清澄な笑顔をうかべて彼女はそう言った。 彼女の弱さは、ある失望と開き直り、そして日常のこと細かな創意…