2014-01-01から1年間の記事一覧
最近、ネットで読んだ中では、この高橋さんの記事が秀逸。世の中の有様をきれいに照らし出してくれている。
須賀さんには晴れよりも、曇天のほうがしっくりとくる。折りたたみ傘をデイバックに忍ばせ、山下公園から港の見える丘公園への坂道をゆっくりと上りながら、そんなことを思った。 須賀さんの描く実在の人物たちの多くが、思うに任せない現実を、意志を曲げず…
「黄昏のビギン」の物語: 奇跡のジャパニーズ・スタンダードはいかにして生まれたか (小学館新書)作者: 佐藤剛出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/06/02メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る 2時間走の疲れをとろうと風呂をわかす。ネットラ…
モチモチしてて、普段食べてる玄米より、やっぱりおいしいね。いつも田んぼ帰りの作業着に「臭い臭い」を連発して顔をしかめていた彼女が、めずらしくホメてくれる。もちろん、悪い気はしない。たしかに心地よい歯ごたえと、胚芽のツブツブ感のアクセントが…
COCOON作者: 今日マチ子出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2010/08/05メディア: コミック購入: 6人 クリック: 141回この商品を含むブログ (44件) を見る 「わたしは、たぶん戦争になったら、簡単に世の中の流れに引っ張られていっちゃう情けないヤツだという…
さいたま市の公民館が憲法九条を詠んだ市民の句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」を掲載拒否したことから、対談が始まる。 いとうがまず指摘する。「こういう自粛という形で、権力が上から高圧的にではなく、役人が下から自分たちで監視社会みたいにして、…
木内三郎が処刑されたのは、それから暫くしてからだ。 ひらがなとカタカナをすっかりマスターし、漢字を幾つか覚え始めた頃だった。最後の瞬間まで大きな体をブルブル震わせて、両目なみなみと涙を溜めていた。 すべてが終わり、冷たい地下室に下りると、す…
義父の誕生日に太平洋をこえてSkypeでお祝いを伝える。ウチの奥さんも帰国中なので、日本から祝意をつたえるためにこの被り物を選んだ。笑ってもらえてよかった。親戚の皆さんもニヤニヤ。
「以前と違って膝の使い方がとても柔らかくなって、上体の力をうまく逃がしている」 ネットを見ていたら、マリナーズの岩隈投手のコメントに目が留った。元同僚でヤンキースの田中投手の投球フォームの変化について彼が語ったもの。以前はもっと勢いよく左足…
スペインの守護神カシージャスは、きっとあの場所から、世界中の人々の視線から走って逃げ出したかったにちがいない。前回W杯王者の初戦で、守備陣からのバックパスをトラップミスしたところをファンペルシーに狙われ、慌ててボールを追いかけたところで濡れ…
ふと手を止めて水面の左上を見ると、トノサマガエルが水面から両目だけを出して、あらぬ方向をじっと凝視している。微動だにしない。その脇を藍色のシオカラトンボが悠然と横切っていく。泰然としたカエルを少し脅かしてやろうかなと思う気持ちを抑えて、雑…
51キロ過ぎだった。給水所で冷水をかけたせいか両方の大腿筋の張りが消え、意識が妙にクリアになり、周りの風景がよりくっきりと目に映った。そのとき骨と皮と前進する意志だけに削ぎ落とされた自分をはっきりと感じた。ゴール目前でにわかに元気になるの…
ちょうど49キロすぎだった。前を走る男性の背中のゼッケンに書かれたメッセージが目に入った。 「初ウルトラ挑戦。自分には負けたくない。距離にも負けたくありません。そして感謝!62歳」 白髪頭には不似合いなほどがっしりした体躯に、日焼けした太い…
どんなにヘタクソでも何年もやっていれば、程度の差こそあれ、誰でもそこそこうまくなる。それで「エヘヘッ」とおもう人と、「何だかなぁ・・・・・・」とおもう人にたぶん分かれる。 昔、ぼくが2年ほどつづけた華道「草月流」でも、初級レベルで基本形と呼…
ひょんなことから歌と出合う。このブログでも書いた、NHK-BS1の世界のドキュメンタリー「職場で歌おう」の中で、大病院の合唱団が歌っていたのが、R.E.Mの「Everybody hurts」だった。英語がすぐ胸に刺さらないから洋楽は苦手だけど、その切ない表題にぴった…
走り終わって芝生の松の木陰に寝っころがると、裸足から両ふくらはぎにかけて血管がどくどくと波打っているように見えた。我ながらちょっと気味悪かった。それでも5月の涼しい風は、北の丸公園の水道水を頭から浴びた頭や顔をひんやりと撫でてくれる。しば…
合唱で仕事がおもしろくなる? 職場がたのしくなる? たぶん、そんなこと誰も信じないだろう。だが、この番組を見れば、合唱のマジックパワーを疑う人は急減するはずだ。イギリスでもっとも忙しい4つの職場で、合唱コンクールへの参加希望者を募り、ギャレ…
[訃報]逢坂じゅんさん逝去(元「レッツゴー三匹」) 昨夜のテレビニュースで、逢坂さんが亡くなられたことを知った。まだ68歳という若さだし、NHKの連続ドラマ「ごちそうさん」やTBSの「半沢直樹」にも出演していらしたそうで、残念というしかない。大阪で…
ボールピープル作者: 近藤篤出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/05/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る バカみたいにだらだらと走った翌日。五月晴れのうららかな窓外の光景を尻目に、日がなコツコツとキーボードを叩きつづける。こん…
やだぁ〜、なんかおじいちゃんみたい。6時間走を終えて帰宅したぼくの背中を見て、奥さんがそうポツリ。彼女にうながされるままに洗面所の鏡で背中を見ると、ちょうど背骨を軸に「ハ」の字型が縦に3つ並んで、ふやけたように皮膚が垂れ下がっていた。 ほら…
雲ひとつない夕焼けに向かって京葉道路を都心方面に向かいながら、ベット・ミドラーの「男が女を愛する時」がカーラジオから流れて来た。田んぼ作業で程よく疲れた身体に、聴く者をなぎ倒すようなミドラーのボーカルが沁み渡る。オジさんたちの泥んこ遊びの…
宇多田やYUKIの歌をぼくが好きなのは、そこに死や虚無がきちんと挿入されているからだ。光と影があってこそ優れたポップミュージックは人の心に刻印される、勝手にそう思っている。 森美術館で開催中の「アンディ・ウォーホル展」で、もっとも驚いたのは、イ…
程よい厚みのあるトロトロ層の上を、オタマジャクシが悠々と泳ぎ回っている。まだ生まれて間がないのか、どれも5ミリほどの頭のほうが、胴体より断然大きい。田んぼに近づいた僕の気配を察してか、ほぼ全身を横たえていた全長4センチほどのミミズが、頭部…
先の板橋から9日目、鼻風邪もようやく収まり、桜が満開の下を70分間走。走り出して身体がほぐれてくると、花見客を尻目に、適度な発汗とともに身体がゆっくりと目覚め、稼働していく感覚がやっぱり心地いい。 自分のちっぽけさを相対化する方法はいくつも…
25キロ以降、汗をかかなくなってラッキーと思ったら、しばらくすると身体が動かなくなった。初めて頭痛もしてきた。給水に失敗したと気づいたときにはもう手遅れだった。 前半、発汗量がいつもより多かったのに、10キロに一度のペースでしか給水をとらな…
このブログでも書いたが、Facebookの友達リスクエストが昨年、韓国の旧友Kから14年ぶりに届いた。それがすべての始まりだった。つづいて大阪出張の際に再会した友人から、ソウル在住の友人のメルアドを教えてもらうことができた。 その後で企画が通り、ソ…
まいった。新聞のラテ欄で、(終)の文字が二つの番組名の後ろに付けられていた。インターFMで午後10時からの宇多田ヒカル「KUMA POWER STATION」と、NHK-FMで午後11時からの「元春レディオショー」。あっという間の2時間だった。火曜日の楽しみの二つを一…
今、世間で何かと話題の理化学研究所モノ。例の話とは一見何の関係もないようでいて、じつはちょっぴりあるような演劇脚本を08年に文庫本化したもの。ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎の青春時代を舞台に、原爆製造をめぐる科学者たちの情熱と狂気を描…
きれいに冬枯れした皇居外苑の芝生に汗まみれの身体でごろんと転がり、大の字になる。夕方前の少しくすんだあおぞらと向き合う。お腹の皮をできるだけ背中まで近づけて、深く呼吸をしている自分がいる。 そういえば2年前の夏、千葉県匝瑳の田んぼの脇で、炎…
5キロ周回コースの片端、ちょうどレインボーブリッジ側にある、カイドウの木3本がその桃色の花びらを雨に濡らしていた。たしか、うちの近所では、まだサクランボみたいな蕾(つぼみ)のままだったはずだから、都心よりもお台場のほうが暖かいのか。ふいに…