2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

心で書く文章 頭で書く文章(広島にて)

あるピアノに寄せられた感想文を読んだ。 くわしいことは書けないが、小学生1年生から6年生、さらには中学生と保護者までの文章があった。 一番すごかったのは小学校1年生のもので、自分がピアノの立場になって、ある事件を懸命に想像し、その悲劇の痛み…

なんともたよりなき健康観(山口にて)

動かない左足を引きずるように去っていく。 70代の彼女の背中を見ながら、ぼくは圧倒されていた。 「ええ、脳梗塞になって、ほんとによかったわ」 清澄な笑顔をうかべて彼女はそう言った。 彼女の弱さは、ある失望と開き直り、そして日常のこと細かな創意…

高尾山トレイル(2)

Run

デスクトップが壊れ、仕事の締切も引っ張ってしまい、バタバタしていたら更新できませんでした。遅ればせながら高尾のつづきを―。 結局、最初の6キロで1時間かかった18キロトレイルは、自測3時間10分ほどでゴールした。約1週間の出張もあって、あま…

高尾山天狗トレイル09(1)

Run

ここで何キロですかと訊くと、大会スタッフの「6キロです」という答えに、質問したことを後悔した。スタートから約1時間。黙々と山を登り終え、そこから起伏に富んだ山間をしばらく走った後だった。そろそろ全コースの半分、9キロぐらいかなと思っていた…

「かばんはハンカチ」、17日(土)付け東京新聞で紹介

川田修さん著『かばんはハンカチの上に置きなさい』(ダイヤモンド社)が、東京新聞16面の暮らし欄で紹介されました。ありがとうございます。金曜日夜、東京駅丸の内口のオアゾ丸善1階エスカレーター裏の話題本コーナーに、2冊正面積みで置かれていまし…

謙虚な言葉の使い方

「私の話に一緒に泣き笑いしてくれて、私にはない視点を教えてもらえて良かったです。最初は私が自分で本を書こうと思っていましたが、荒川さんの力をお借りすることに決めました。どうぞ、よろしくお願いします」 身に余るお言葉をありがとうございます、と…

減速企画2回目記事(日経ビジネスアソシエ・オンライン)

大卒でも大工になれる会社、平成建設の2回目記事が掲載されました。「常識」や「世間体」にとらわれない強さ、ご笑覧ください。

北島敬三「1975−1991 コザ/東京/ニューヨーク/東欧/ソ連」(恵比寿・都写真美術館10月18日まで)

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その痩せた身体は、たぶん身長150センチ前後。彼女の褐色の顔には不釣合いな大きい鼻と口が少し歪み、誰かに毒づいているようにも見える。その大半が白髪の、しかも逆立った髪の毛が、その印象をことさら際立たせている。年齢は60代後半だろうか。 19…

佐藤哲郎写真展「andymori」(高田馬場シミズクリティブスタジオ・10月23日まで)

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「いきいきとした」という言葉をたまに見かける。 だいたい、その後には「表情」とか「映像描写」とかいった言葉がつづく。でも、じつはこれがかなりクセモノ。感想としては使いやすい言葉だが、小説でも写真でも「いきいきとした」表現そのものを創りあげる…

川田修『かばんはハンカチ』(ダイヤモンド社)

人生ぃ、苦ありゃ〜 楽もあるさぁ〜♪ 外資系生保セールス、川田さんの本が好調です。八重洲ブックセンター週間ランキング(ビジネス部門)2位、ダイヤモンド社週間ランキング2位。全国でも順調に売れているようです。 誰にでも、すぐ真似できるノウハウ、…

高学歴大工たちが仕事に求める実感〜日経ビジネスアソシエ・オンライン

「減速生活者(ダウンシフターズ)」第3弾が本日アップされました。「高学歴大工たちが仕事に求める実感」です。第1回目のテーマは、静岡県沼津市にある平成建設という会社で働く若手社員たちの仕事観。アクセス数も好調。ご感想などあれば、コメント欄に…

20年ぶりの再会

変わらないな。 龍さんも変わらないですよ。 とっさに固い握手をしながら、互いにそう言い合うと頬がゆるんだ。一方で、20年ぶりなのに、おれは変わってないのか、という一抹のさみしさも覚えた。・・・ただのないものねだりか。 43歳の割に彼は若い。体…

ほんとうのこと

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足が止まった。自分の意思とは無関係に身体が走ることを止めてしまった。その瞬間、ああっと思わず声が出て、ふいに仰ぎ見ると、夜空に雲がかかった朧月(おぼろづき)があった。中秋だった。 次の瞬間、声も出さずに苦笑させられた。腕時計を見ると、走り始…